ママボノ

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参加ママの声

参加ママの声

渡辺 佳織さん

渡辺 佳織さん

家族構成:夫・娘(参加時0歳)
仕事内容:出版社販売部
勤務体制:育休取得・復職
参加年度:2017年度

ママボノを経験して職場復帰の心構えができた

祖父母などのサポートがない状態で、子どもがいても仕事を続けていけるのか…。ずっと職場復帰したあとの生活に、漠然とした不安がありました。そんなとき、自治体の働くママ向けセミナーで、ママボノのチラシをもらいました。もともと育児休暇中にボランティアをしたい、と思っていたことと、ママボノの経験がスムーズな職場復帰につながるのではないか、という期待があって参加を決めました。

本職のスキルを生かせるプロジェクトに参加

支援先の「シャイン・オン・キッズ」は、小児がんや重い病気の子どもたちとその家族を、心のケアなどで支えているNPO法人です。活動の一環として、入院中の子どもや家族の心を癒す「ファシリティドッグ(犬)」を病院に常駐させる活動をしています。依頼内容は、このプログラムの支援者を募るパンフレットを作ってほしい、というものでした。

私は出版社に勤務していて、普段は出版物の販促を担当しています。ポスターやチラシを作って、商品のプロモーションを行う仕事をしているので、パンフレットづくりは本職のスキルを生かせるプロジェクトでした。

一方、メンバーは6人いましたが、営業や販売職の方が多く、パンフレットを作るのは初めて、という方がほとんどでした。でも、リーダーをはじめ、ヒアリング調査やその結果の整理、ライティングをするなど、それぞれにできそうなことに担当を分けて作業を進めました。

ママたちの前向きな姿勢に刺激を受けた

私は、デザインスキルのある方と一緒にデザインやレイアウトを担当しました。その方がプロジェクトの途中で職場復帰する予定だったので、2人でできるうちに大枠が完成するよう調整しました。

どのようなパンフレットが求められているのか、最初はなかなかイメージがわきませんでした。そのため日本赤十字社やユニセフなど他団体の資料を取り寄せ、参照することで、どのような内容が良いか、理解を深めました。また使用写真の制約などもあったので、一つ一つ確認しながら進めました。メンバーとはメールやビデオチャットで連絡を取り合っていましたが、会って話さないと細かいニュアンスが伝わらなかったり、聞きたいことが確認できなかったり、というもどかしさもありました。そのため、全員は無理でも、3人集まれるなら集まるようにして、リーダーの自宅や無料の会議室を借りて作業する日もありました。

ママボノのチームは異業種の集まりなので、仕事の進め方やメールの書き方一つにしても違いがあって面白かったです。ほかのチームを見ていても、仕事と子育ての両立に前向きなママさんばかりで、私も頑張ろうと、刺激を受けました。

あふれる想いと大きな達成感

プロジェクトを通じて「ファシリティドッグ」について知ったのはもちろん、難病の子どもたちやそのご家族、そして医療現場の人たちが日々、奮闘されている様子に触れました。取材や勉強を重ねるうち、「ファシリティドッグ」の大きな存在意義を感じ、もっと広くみんなに支援してもらいたい、という想いがあふれました。

メンバー全員がすっかり感情移入してしまい、パンフレット制作への取り組みが、どんどん真剣になっていったのが印象に残っています。いま思い返しても、チームで同じ目標に向かって頑張るのは、とても素晴らしい経験でした。

支援先の方は、ママである私たちなら、病気の子どもたちとその家族の気持ち、また「ファシリティドッグ」の果たす役割をちゃんと理解してくれるだろう、と期待してくれていたそうです。

だからこそ、できあがったパンフレットを、支援先団体の皆さんに大変喜んでいただけたときは大きな達成感がありました。メンバーとは、本職の仕事でもこれぐらい喜んでもらえる仕事をしたいね、と笑いあったのが忘れられません。

リスクヘッジの大切さを実感

チーム内で、メンバーの子どもが突然、熱を出すような場面は何度かありました。私も、ちょうどキックオフミーティングの時に子どもから風邪をもらってしまい、支援先の方との顔合わせである初回の集まりに参加できないというスタートになってしまいました。

そんなときも、お互いの状況を理解して、スムーズにフォローし合えるのがママボノでした。ですが、職場ではいろいろな立場の人がいて、理解を得るのが難しいこともあると思います。だからこそ職場復帰後は、自分が急に休んでも迷惑をかけないよう、自分の仕事内容を常日頃から周囲と共有しておくなど、リスクヘッジしておかなければいけないと実感しました。

職場復帰を2か月後に控え、完全に不安がぬぐい切れたとは言えません。でも、ママボノの経験で、復帰後のイメージや心の準備ができたのは確かです。実際に復帰したあとはいろいろなことがあると思いますが、前向きな気持ちで仕事に取り組んでいきたいです。

気負わず、まずはチャレンジ

ママボノは、最初からあまり気負わず、興味さえあればまずはチャレンジしてみるといいと思います。実際のところ、子どもをあやしながらミーティングをするのは大変でした。それでも得られるものは大きいですし、私自身は支援先団体の活動に触れるにつれ、理解が深まってやる気がアップしていきました。とても良い経験ができたと思っているので、参加を迷っている人がいれば、ぜひ挑戦してみてほしいです。

(2018年2月取材)