参加ママの声
中溝 知里さん
家族構成:夫・娘(参加時4歳)・息子(参加時1歳)
仕事内容:電機メーカーのソリューション事業部主任
勤務体制:育休取得・復職
参加年度:2017年度
ママボノで経験した新しい仕事とリーダーシップ―復帰後の働き方に自信
第1子の育休中は、産後1年未満で復帰したこともあり、子育て中心に過ごしました。一方、第2子のときは2年近くの育休期間があり、外に目を向ける時間的な余裕がありました。そこで、同じようなタイミングで復職し、仕事へのマインドを持っている友人ができたらいいな、という軽い気持ちでママボノへの参加を決めました。
この機会を最大限に生かして
参加したプロジェクトは、品川区社会福祉協議会の有償ボランティア「さわやかサービス」が協力会員を増やすためのマーケティング基礎調査でした。ずっとSEとして働いてきたので、今まで自分がやったことのない業務に挑戦したかったからです。
私はリーダーとして支援先との窓口やメンバーの役割分担、進捗管理を主に担当しました。メンバーは様々な業界で頑張っている人たちなので、その特徴やスキルや個性をうまく生かし、どうファシリテートするか、が問われました。
そこで意識して取り組んだのが、せっかくの機会を生かして、一人一人の学びを最大化する、ということ。
メンバーの年齢には幅があり、職種も違えば、子どもの年齢も違い、第1子から第3子のママまでさまざまでした。当然、考え方も立ち位置も、エネルギーも違います。そういった違いを肌で感じ、良いものはどんどん自分に吸収していってほしい。ただ会って話をするだけでは難しいけれど、ママボノで一緒に作業していると見えてくるものは多いと思いました。
そのため、役割ごとにグループを分けましたが、メンバーは固定せず、定期的に入れ替えるようにしました。そうすると、全員が全員と仕事をしたことがある状態になり、よりたくさんのことを学び合えると思ったからです。
私自身も、最高のパフォーマンスが出るように、メンバーの組み合わせを考えるのはパズルのようで面白かったです。実際にメンバーは予想以上の力を発揮してくれましたし、リーダーの醍醐味を感じることができました。
肩ひじ張らない育児
ママボノの活動は単純に楽しかったですし、気持ちのリフレッシュにもなりました。育休中でも時間を意識して過ごせましたし、子どもが病気のときにどうするか、など、復帰後のシミュレーションもできました。
実はチームの最初の顔合わせのとき、子どもが熱を出してしまったのですが、夫が会社を休んでくれたおかげで無事に参加できました。これまでは、夫に申し訳ないと言う気持ちがあって、自分一人で何とかしようとしていたかもしれません。
でも今回の経験で、自分だけで凝り固まらず、夫ともちゃんと話して想いを共有する大切さに気付きました。復帰後も肩ひじを張らず、頼るところはうまく頼りながら育児と仕事を両立させていきたいと思います。
復帰後の働き方に自信が付いた
ママボノに参加して良かったことは、仕事のイメージを忘れずに過ごし、復帰に向けてポジティブな気持ちになれたことです。メンバーとはオンラインのやりとりがほとんどでしたが、チームとしてきちんと機能し、成果物を完成させることができました。限られた時間で対面でなくても、ちゃんとメンバー同士、意思疎通を図れる、ということを肌で感じられたのは、復帰後の自信につながりました。
何より、支援先の方々がプロジェクト終了後、実際に私たちが提案した内容を実行にうつしてくれたことが、とてもうれしかったです。おかげで、未知なる分野で仕事をするのも楽しい、と大いに実感できました。今後もし、本業で新しいフィールドの仕事に取り組むときでも、不安なく挑戦できると思います。一方で、SEとしてずっと身に付けてきた経験やスキルが、ほかのどの仕事でも役立つんだな、と確認できたのも良かったです。
ママボノで学んだ新しいリーダーシップ
ママボノでは、知り合ったばかりのメンバーが集まって、2ヶ月という限られた期間で成果物を作り上げました。リーダーとして難しい側面もありましたが、この経験は本業でも、チームの立ち上げと実行のスピードを上げていくのに役立つと思います。
普段の仕事でのリーダーシップの違いで言うと、ママボノのメンバー間には上下関係がありません。そのためメンバーに動いてもらうためには、ちゃんと話して納得してもらったり、私も相手の想いをくみ取ったりすることが必須でした。
この経験から、もしかしたら今までは、上下関係による立場の違いが前提にある中で、仕事を進めることが多かったかもしれないと気づきました。同じ想いを共有し、納得することができれば、立場に関係なく人は動く、ということを学べたのは、本業のリーダーシップにも有用な経験だったと思います。
だれにとっても働きやすい環境を
チームやバディーを組んで仕事をし、だれかが急に休んでも十分にカバーできる体制が作れれば、育児中の女性も安心していきいきと働き続けられると思います。それはきっと、年齢や性別、立場に関係なく、だれにとっても働きやすい環境を作ることにつながるはずだと信じています。
(2018年2月取材)