参加ママの声
栗橋 由佳さん
家族構成:お子さん1人(参加時3歳)
仕事内容:人材業界、アウトソーシングサービスでの営業、採用人事/2020年1月からイギリスのエジンバラ在住
参加年度:2021年度
海外駐在帯同中のモヤモヤの解消と仕事の感覚を戻すために
イギリスからママボノに参加された栗橋さんに、海外からの参加ならではの工夫や、海外在住の方にお勧めするポイントを伺いました
海外駐在帯同中の、この時間を活かしたい
イギリスに来て一年半程経った時に、駐在妻の方に向けたママボノのイベント案内を見て、ママボノを知りました。コロナの状況もあって、思うように自分が駐在期間中にやろうと思っていたことができてないという気持ちがあり、何かしたいけど何をしたらいいのだろうという焦る気持ちだけが漠然とありました。そのモヤモヤが解消できるのではないかという期待があり、ママボノに参加しました。
私は今まで1つの会社にしか勤めたことがなく、他の組織やNPOのことを知らなかったので、ママボノに参加することで、他の参加者の方のさまざまなバックグラウンドや非営利活動を知るきっかけにもなると思いました。休職して1年半程経ち、働くことを忘れかけてきているような時期だったので、ママボノに参加することで感覚が戻るのではないかという期待もしていました。また、新たな出会いにもとても期待していました。
自分のスキルを見直す機会に
実際に参加をしていて、いろいろなバックグラウンドの人が集まって、一つの目標に向かって協力しながらプロジェクトを進めていく雰囲気を味わえたことが良かったです。
また、お仕事に近いことをするなかで、自分の特性が客観的に分かったことも良かったと感じています。会社で働いていると、自分のスキルや経験をゆっくり振り返るタイミングがあまりなかったのですが、ママボノでは、プロジェクトを進めるだけでなくメンバーとのコミュニケーションを取ることも大切にし、落ち着いた状態で活動に取り組めたので、周りの人との関わりを通して自分が浮き彫りになった感覚がありました。一人で何かをしていたらきっと気付くことができなかったことだと思うので、非常に良かったです。
オンラインで仕事をする経験ができたことも良い点でした。在宅勤務でコミュニケーションを取ったり、オンラインでミーティングをしたりという、それまで機会のなかった経験をすることができました。オンラインツールは、実際に使っているうちに慣れていったので、特に不安はありませんでした。具体的にはslackというツールを使ったのですが、スムーズに使いこなすことができましたし、何か困ったことがあればネット上で調べるようにしていました。また困った時に一人で抱え込まず、誰かに相談することを心がけていました。
日本との時差も子育ても、調整しながら、無事プロジェクト完了
参加にあたって不安だったことは、時差があったことです。日本とイギリスでは夏に8時間の時差があるのですが、冬は時差が9時間になってしまうので、上手く調整できるかどうかが少し不安でした。 時差に関しては、メンバーが主に日中の作業を希望していたので、日本が14時、イギリスが朝6時などの時間にミーティングを設定していました。朝早いのは大変だったのですが、逆に朝だと子どもが寝ていてくれるので、その間にミーティングを終わらせて、日中の子どもが保育園に行っている時間を作業に当てることができました。時差は常にイギリスが日本を追いかける形になるため、作業はできるだけ前倒しで進めていました。時差の関係では、もっと日本に近い場所に住んでいる方は、より調整しやすいかなと思います。
子育てとの両立については、基本的には子どもが保育園に行っている時間に作業ができていたので、困ることはありませんでした。しかし、子どもが体調不良などで家に居ると、作業が遅れてしまったりする可能性があったので、間に合わなそうなものは早めにチームのメンバーにお願いしたりしていました。そのほか、子どもが寝た後など、自分の一日の時間の中でうまく隙間を見つけてやりくりしていましたので、家族に子供の面倒を見てもらわないといけないほどにはならなかったと思っています。プロジェクトの最後に行う成果提案の前の何日かは、それまでより活動時間が長くなった日が数日ありましたが、両立ができないほど忙しい状態にはなりませんでした。
海外にいても、新しい挑戦はできる
「なんでもやってみよう」と思う好奇心はもともとあると思っていますが、海外で生活していると、日本では当たり前と思っていたことが当たり前ではなかったり、最初は自分一人でできることがあまりに少なくて、ギャップに落ち込むことが結構ありました。ですが、ママボノに参加して、今までと違う生活をしていると割り切って、その上で興味を持てることは何でもやってみようと思えるようになりました。
仕事からあまりにも離れてしまっていたので、ミーティングでのファシリテーターの役割にあまり自信がありませんでした。ですが、ママボノはボランティア活動なので、「自分がやりたいことを試せる場所だと思ってやってみよう」と思えました。プロジェクト全体に活かせたかはわかりませんが、諦めずにやってみる、ということは海外生活でより磨かれた強みかもしれません。
海外駐在に帯同している方は、仕事を辞めてきている人も多いのではないかなと思います。日本に帰った時に、また働きたいと思っている方であれば、復職の練習になると思います。仕事に近いことをしていると感じましたし、実践に近い形で経験ができることは意義のあることだと思いました。また、ママボノに参加している人は自分のキャリアについてよく考えている人が多いという印象があり、私はその意識の高さに刺激をもらうこともできました。
そして、ママボノを終えてから、他の団体でインターンを始めました。ママボノでオンラインで仕事を進めた経験が、役に立っていると思います。インターンのメンバーは、皆さん私と同じように駐在帯同をしていて、世界各国に散らばっています。時差もあって活動はすべてオンラインなので、ママボノの時よりも時間の調整は難しいと感じました。ですが、私はママボノでオンラインミーティングをやっていたので、早い段階でコツをつかめたと思います。また、ママボノは、帯同中に何をしておけば良いかを考える一つのきっかけになったと思っています。参加前は何をしたらいいかよくわからない状態でしたが、ママボノに参加し、チームで目標に対して成果を出していくことを面白いなと感じることができました。その感覚を忘れたくないと思っていたところに現在のインターンの募集を見つけて応募したので、ママボノへの参加が次に繋がったと思います。
パートナーの海外駐在に帯同している方にも、ママボノはオススメです!
海外駐在に帯同している方へのお勧めポイントはいくつもあります。
1つ目として、何かしたいけど気持ちばかり焦っていて何をしたらいいか分からない人には、すごく良いと思います。一人で考えてなかなか答えが出なくても、メンバーとの関わりを通して気づけることがたくさんあります。そういう機会を得られるのは、とてもいいと思います。帯同しているとビザの関係やパートナーの会社の決まりで帯同者が働いてはいけないケースもあるようですが、ママボノはそこを一切気にしなくてもよいところもお勧めです。
2つ目として、期間限定であることも良いポイントだと思っています。時差の調整が大変だと思う事もありましたが、それでもこの期間だけなら頑張れると思えました。
3つ目として、帰国後のことも見据えて、キャリアについて話せる友達ができるという点もポイントだと思っています。チームのメンバーとは、ミーティング以外にもオンラインでお茶会を開いたりしていました。それぞれが子育てに関することだけでなく、自分自身の今後のこともすごく考えていて、その考えを聞けたのが良かったです。ママボノ終了後も、連絡を取り合っています。
(2022年3月取材)