ママボノ

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参加ママの声

参加ママの声

ママボノに参加したママたちは、ママボノでどのような経験をしたのでしょうか。すでに復職をしたママたちは、どのように復職を迎え、どのような生活を送っているのでしょうか? ママボノを経験した先輩ママたちに、参加体験談や、復職後「働く」と「子育て」をどうやりくりしママボノでの経験がそこにどう活きているのか、聞いてみました。

鈴木愛さん

鈴木愛さん

家族構成:夫・娘(3歳)
仕事内容:前職・看護師、現職・ NPO法人の講座開催サポート
勤務体制:有償ボランティア
参加年度:2018年度

看護師以外の仕事は無理だと思っていた私が見つけた新しい自分

もともとは青森県八戸市で看護師として働いていましたが、結婚を機に青森市へ引っ越し、仕事を辞めました。娘を出産した後は育児に専念する毎日。その中で、市内で子育て支援を行っているNPO法人「ココネットあおもり」の講座やイベントに参加するようになりました。

2018年夏、いつものようにイベントの情報をチェックしていたら、「ココネットあおもり」が「ママボノ」に取り組むことを知りました。それまで「ママボノ」という言葉は聞いたこともなかったので、副代表理事の久保田正美さんに「これは何?」と尋ねたことを覚えています。そのとき久保田さんからママボノについて概要を教えてもらい、「すぐに復職を考えていなくても、ママボノで何かできることはあるはず」と薦められました。

最初は半信半疑、軽い気持ちで参加

このことがきっかけで参加を決めましたが、特別な期待や意気込みがあったわけではありません。どちらかというと子連れで参加でき、託児もあるならやってみよう、という軽い気持ちだったと思います。

また、ママボノでは非営利団体の活動をお手伝いする、とは聞いていたのですが、看護師以外の仕事をしたことがない私でもできるのかどうかは半信半疑でした。それでも久保田さんから、こんな私でも大丈夫だと言ってもらえたので、とりあえずやってみようと思えました。

青森でのママボノは初めての開催ということでしたが、久保田さんと、私を含めた4人のママの、計5人でチームを組みました。支援先は青森県鶴田町を「世界のはげの聖地」にしようと、さまざまなイベントを行っている「ツル多はげます会」。同会は毎年、頭に吸盤を付けて綱引きを行う「吸盤綱引き全国大会」を行っています。全国から参加者を募っていますが、これまでの開催では町内の参加者が大半を占めていました。そのため全国に大会をPRし、広く参加者を募集するためのHPを作ってほしい、というのが依頼内容でした。

新しい発見や交流が良い経験に

私はパソコンに詳しくありませんが、チームメンバーに得意そうな人がいたので、HP制作の部分はお任せをしました。私はHPの修正を手伝ったり、成果提案ミーティングの準備をしたり、裏方的な仕事を中心にやらせてもらいました。

実は同じ県内に住んでいても、鶴田町や「ツル多はげます会」のことは何となくしか知りませんでした。それが今回、実際に鶴田町へ行って、「ツル多はげます会」の皆さんとお会いし、話をする中でたくさんの新しい発見がありました。鶴田町へは車に乗り合わせて、子どもも一緒に行っていたのですが、まるでちょっとした“遠足”のようでした。地域の方たちと交流する機会が持てたことはとても楽しかったですし、年齢が違うさまざまな人と話ができて勉強にもなりました。子どもたちもたくさんの人と触れ合うことができ、子育ての面でも良い経験ができたと思います。

やれることを、やれるときにやる

ミーティングをして「ツル多はげます会」の人たちが、鶴田町の観光PRにも力を入れたいと願っていることが分かりました。それで私たちが製作するHPでも、鶴田町へのアクセス方法について詳しくまとめ、イラスト入りの見どころマップを作りました。HPは全体的に明るいイメージで、写真やイラストを多用し、分かりやすくまとめられたと思います。「ツル多はげます会」の方たちにもとても喜んでもらえて、うれしかったです。

メンバーとは、「LINE」のグループを作って連絡を取り合っていました。全員が育児中で忙しいことが分かっているので、手の空いた時間に連絡や作業をするのが当たり前でした。一方で、プロジェクトの期間が決まっていたため、「やれるときにやる」という気持ちでやったのが良かったと思います。

ママボノの経験が新しい仕事につながった

今は「ココネットあおもり」で有償ボランティアとして、開催する講座の準備や開催をお手伝いさせてもらっています。ママボノを経験するまでは看護師以外の仕事を自分ができるとは思えませんでした。いま思えば、看護師をしていたときにも研修の準備など、似ている経験はしていました。ただ、看護師以外の仕事は難しいと自分で思い込んでいて、ほかの仕事に生かせる経験やスキルも身に付けられていたことに気づけていなかったのかもしれません。新しい自分をママボノで教えてもらったような気持ちです。

結婚や出産、育児でいったん仕事をやめると復職するのは勇気がいるし、社会に戻るための練習もあった方が良いと思います。ママボノではこれまで経験したことがない仕事のジャンルでプロジェクトに関わることも多いと思いますが、経験して悪いことはないと思うので、ぜひ挑戦してみてほしいです。

またママボノのメンバーは一つのプロジェクトを一緒に成し遂げていく仲間なので、ただのママ友だけではない絆が生まれます。旦那さんの転勤で青森に引っ越してきたような人もたくさんいると思いますが、青森で友達を作りたい、という人にとってもオススメです。堅苦しく考えないで、“外へ出るきっかけ”みたいな気持ちで参加しても良いのではないでしょうか。

(2019年2月取材)

 

後藤陽子さん

後藤陽子さん

家族構成:夫、娘(1歳)
仕事内容:オーガニック商品販売
勤務体制:在宅勤務(アルバイト)
参加年度:2018年度

ブランクの不安が解消―自分らしい仕事と子育ての両立に自信

私は以前企業で広報・営業の仕事をしていたのですが、結婚し、長女を出産してすぐ、夫の転職のため、関西から東京へ引っ越すことになり、当時の勤務先を退職しました。大学も、新卒で就職した会社も東京だったのですが、育児をしながらの東京生活は想像がつかず、不安がありました。でも、近くの地域センターで職員さんによくしていただき、子育てを一緒に頑張る“戦友”のようなママ友もできました。やはり日々、頑張っている仲間が身近にいるだけで、とても心強かったです。

一方で、子育てを優先にしながらも、仕事をしたいという気持ちは変わらずあって、自分のスキルも磨きたいと思っていました。そこで、海外メーカーとのやりとりやカスタマーサポートのアルバイトを在宅で始め、子育てとの両立を模索。子どもが成長したら、また外で働くということも考え、仕事をしながらの子育てってどういう感じなのかをネットサーフィンでリサーチしていました。

そのときたまたま、ママボノに参加した人の体験談を目にし、興味を持ちました。HPを見ていると、ちょうど仕事のブランクがある女性向けにママボノを紹介するイベントが開かれる、とのこと。そのイベントに参加したことで、ブランクがあっても再就職できた人たちの体験談などから勇気をもらい、私もまずはママボノにチャレンジしてみることにしました。

念願の国際貢献につながるプロジェクト

私が参加したチームの支援先は、アジア・太平洋の途上国で国際協力などを行っている「Earth Company(アース・カンパニー)」。アース・カンパニーは2016年から2018年まで、アジアの貧困地域で産科医療・周産期ケアを提供し、多くの母子の生命を守っているインドネシアの助産師、ロビン・リムさんを支援してきました。「現在のマザーテレサ」とも呼ばれるリムさんを、今後も継続的に支援しようと、アース・カンパニーでは日本の助産師を対象にリムさんを訪ねるスタディツアーを新しく計画。そのニーズ調査を行うことが、ママボノでの支援内容でした。

私はもともと国際的な活動に興味があり、これまで関わってきた仕事はすべて海外に関係のあるもの。ボランティアをするときも、途上国の貧困問題解決などに関わりたいと思っていたので、アース・カンパニーのプロジェクトは心からやりたいと思える、魅力的な内容でした。

自分の強みや好きなことに気づけた

チームのメンバーは8人。全員がアース・カンパニーでの活動に熱意をもって集まっていました。

プロジェクトではまず、スタディツアーのニーズを探るため、手分けをして助産師さんにインタビューやアンケートの収集を実施。その後、助産師さんたちの声をまとめて結果を分析し、こういうスタディツアーなら魅力的だという企画を提案させていただきました。

ヒアリング調査はみんなで分担して行っていましたが、それ以外の仕事でもそれぞれが得意分野やスキルを生かし、協力しあえていたと思います。例えば私は英語資料の翻訳や、最後の成果発表会でプレゼンテーションを行うときには、これまでの広報での仕事経験を生かして中心的に関わることができました。

一方、チームをまとめるのが上手な人、ヒアリング結果の集計や分析で力を発揮する人など、メンバーにはそれぞれ、さまざまな強みがありました。そういった人たちと比べて自分のスキルはどうか、強みは何か、ということも自然と見えてきました。

またプロジェクトの進行中は、与えられてやる作業より、自分でやりたいことに手を挙げて担当する作業が多くあります。私は昔、私はあるスタディツアーに参加したことがあったので、その経験も踏まえて、こういう内容にしたら参加者が喜ぶのでは?ということをいろいろ、提案させてもらいました。このような経験を通じて、自分はアイデアや企画を出すことが好き、ということに改めて気づくことができたのも自分自身を見つめ直す、良いきっかけとなりました。

リモートで働く経験を体感

チームメンバーとは何度か集まって打ち合わせもしましたが、ランチミーティングをするときは、それぞれの知見を生かして選んだお店へ行くのが楽しかったです。あとはオンラインビデオ会議システムを使い、リモートでもなるべく全員が顔を合わせて話をするようにしていました。

私は日中、子どもがお昼寝をしているときは在宅の仕事を優先したかったので、ママボノの活動は主に夜にやっていました。逆に夜は作業できない、という人もいましたが、LINEグループで連絡を取り合い、Googleドキュメントでファイルを共有。空いた時間にできる人が作業する体制を整えていたので、プロジェクトはスムーズに進行しました。

このような経験から、さまざまなツールやアプリを使えば、リモートでの打ち合わせや情報の共有も難しくない、ということがよく分かりました。これは今後、子育てと両立しながら働いていくうえで、とても役に立っていくと思います。

たくさんの学びと刺激

印象深かったのは、アース・カンパニーの活動やスタッフの方々の考えに触れ、こういう社会貢献や働き方もある、と感銘を受けたことです。プロジェクトが終わった今でも、アース・カンパニーの方々はスタディツアーの進ちょく状況や、参加を希望する方々からの反応などをメールで教えてくれています。その気持ちがとても温かいと思うし、子育て中でも世界が広がっている実感を持てているのは本当にありがたいです。

メンバーの中には復職を控えた育休中のママだけでなく、転職を何度か経験している人たちもいて、仕事やキャリアについていろいろな情報をシェアしてくれました。私は子どもが幼稚園に入るころにはもう一度企業等に就職したいと思っているので、そのときにどう活動をすれば良いかや、キャリアに対する考え方などは参考になりました。あとは家事の工夫やオススメの時短家電なども教えてもらって、子育てと仕事を両立させる暮らしのイメージがわいたのも良かったです。

ブランクがあっても大丈夫

まだしばらくは、在宅での仕事を続けながら子育てを楽しむつもりですが、今の仕事も自分の特技や強みを生かし、もっとクリエイティブなものにしていきたいと思っています。

ちまたにあふれる情報を見聞きしていると、キャリアを途切れさせないよう、産後もなるべく早く復職するよう促されるシーンがよくあるように思います。でも私は、子どもが小さいときは家で一緒にいたいですし、子育てという経験も新しいスキルにして次のステップへつなげていきたい。ただ、そのような自分の考えで本当に良いのかどうか、不安になることもありました。ママボノに参加した理由としては、そんな時に後押ししてくれる何かが欲しかったのだと今では思います。

私はママボノに参加したおかげで、自分の強みに改めて気づくとともに、たくさんの人と交流し、視野を広げることができました。今は、仕事のブランクの理由が子育てであっても、再就職するにあたっては、これまで自分は何をしてきたのか、その経験が問われる時代になってきていると思います。その意味でもママボノでの経験を踏まえたことで、改めてこれからも自分らしい道を進んでいくことに自信が持てた気がします。妊娠出産を機に、一旦仕事のスタイルを変えたり、ブランクが空いている人にもママボノはきっと有意義な活動となるはずです。もし少しでも興味があるなら、ぜひ参加してみてください。

播摩史子さん

播摩史子さん

家族構成:夫、息子(0歳)
仕事内容:秘書
勤務体制:育休取得・復職
参加年度:2018年度

ママボノ経験は育休中の特権。最高の仲間との出会いに刺激をもらう

私は仕事が好きなんですが、「“ふだんとは違う環境に身を置いてみる”ということは長い会社人生では案外プラスになるかも」とも感じていました。そこで産休前に「会社で働いている時にはできない時間の使い方をしてみたい。育休の時間を活かして何かできないかな?」と社内のイントラで調べていたところ、育休取得者向けの情報としてママボノが紹介されていたんです。NPOには全然詳しくなかったんですが「これだ!」と思い、申し込みました。夫は「せっかく休める機会なのに、がんばるね…」と驚いていました。

経験はなかったけれど、マーケティング基礎調査のプロジェクトリーダーに

マーケティングに興味があり、高齢者向けの教室や居場所として立ち上げたばかりのNPO「ここから100」さんのマーケティング基礎調査プロジェクトにかかわることを第一希望として伝えました。その際、「チームリーダーに関心がありますか?」という設問があったので「どなたもいなければやってもいいかな」というくらいの気持ちで回答したところ、後日「ここから100」さんのプロジェクトの6人チームのリーダーを打診されました。

でも、私はマーケティング業務の経験がなかったこともあって、やはり不安になり、「私でもできますかね?」と事務局に相談したんです。すると、事務局スタッフの方は「ママボノのチームリーダーという役割は、上司・部下の関係でマネジメントするようなものではなく、NPOとのやりとりをする際の取りまとめ、窓口担当みたいな感じですよ」とアドバイスしてくれたので、それならできるかもしれない、と思ってトライすることにしました。

最高のメンバーと、気持ちよく仕事ができた「ドリームチーム」

参加して何が良かったかといえば、私にとってはママボノのメンバー達との出会いが一番の収穫でした!すべてのメンバーが、同じ課題に向かってそれぞれが主体的に考え、強い想いを持って率先して動く。例えばタスクを洗い出して、じゃあ誰がやる?というシーンでは「私これやるよ」「じゃあ私はこっち!」と、うかうかしていると、あっという間にタスクがなくなりそうなほど積極的で、「なんてサクサクと進んで気持ちがいいんだ!」と感激しました。仕事も育児もあきらめたくない、と思う人たちばかりのなかで働くのは、とても刺激的で居心地が良かったです。

もちろん、子どもの体調不良などで急遽ミーティングに参加できない…というシーンもありましたが、各役割に主担当と副担当を決めていたのでそこは自然に「お互いさま」と気持ちよくカバーし合うことができました。

私は第一子の育休で参加しましたが、他のメンバーには二人目、三人目のママもいて、育児・家事・仕事の両立の心構えもいっぱい教えてもらえましたね。地域のママ友と比べると、ママボノのメンバーは育休があけるタイミングがほぼ同じ(子どもが0歳~1歳)なので、状況も立場も似ていて話しやすかったんです。

プロジェクトが終わった後も、打ち上げ、近況報告などと、なんだかんだでこの4ヶ月の間に3~4回はこのチームで集まってお話しています。(笑)マーケティング調査で支援先の地域のことを調べていた時に見つけた、子連れにやさしいカフェは、お気に入りの場所になりました。素晴らしい仲間も、この場所も、ママボノをしなければ出会えていなかったと考えると、「やってよかった!」しかありません。ママボノってホント、「育休中の特権」だと思います。(笑)

復帰後のシミュレーションを、本番前にすることができた

もうひとつよかったのは、復帰後のシミュレーションが具体的にできたということです。

例えば、ママボノをするまでは、私は割とのんびりとした時間の使い方をしていたのですが、「いつまでに○○をしなければならない」という明確な締め切りがあることで、「例えば20時までに子どもを寝かしつけるためには、この家事をこの時間までに終えて…」と段取りが必要になってきます。そのおかげで生活リズムを含めた時間の使い方が、けっこう変わりました。

また、キックオフなど全体ミーティングの時はサービスグラントさんが手配してくださった保育士さんに子どもを預けられるということもあり、他のママボノのメンバーはみんな子連れで参加していました。私はあえて毎回義理の母に家に来てもらって、子どもを見てもらっていました。義母が「息子と会いたい」と言ってくれたことに甘えたということもありますが、私は「預けることに慣れる」、義母は「預かることに慣れる」ことができたというメリットもあります。このあたりは、育休からいきなり仕事に復帰するのではなく、本番前に予行練習ができてよかった、と思います。メンバーの先輩ママ先輩ママボノメンバーには「夫へ家事をお願いするときは、タスクを可視化してリストにしたほうが伝わりやすい」などの工夫を教えてもらったり。そういうアドバイスも参考になりました(笑)

できる範囲で大丈夫。迷っているならやってみてほしい

もし、「家事・育児以外のこともやりたいな」と思っている人がいるなら、ママボノは本当にオススメです。「ママボノをやる人なんて、相当バイタリティある人でしょ?私はそこまで頑張れない」と思う人もいるかもしれませんが、ものすごいバイタリティが必要なわけではないんです。もちろん、そんな人もいますが、そうでない人もたくさんいます。それぞれができることを自分のペースでやるだけでいいんです。事務局の方も「無理してないかな?大丈夫?」とケアしてくれますし、「やらない」よりは、「できる範囲でやってみる」という気持ちでもいいので勇気を出して参加してみるといいと思います。

(2019年2月取材)

大原 ななえさん

大原 ななえさん

家族構成:夫、息子(7歳)娘(3歳)
仕事内容:前職・社内SE、再就職・IT講師
勤務体制:再就職・時短勤務
参加年度:2017年度

ママボノが4年のブランクの不安を解消し、仕事の楽しさを思い出させてくれた

専業主婦になって4年。下の子が幼稚園に入って気持ちと時間の余裕ができ、求職活動を始めました。その過程でママボノを知り、「何かのきっかけになるのでは」と、参加を決めました。

4年のブランクを経て復職を考え始め、ママボノに出会った

今、小学校2年生の息子と幼稚園児の娘がいます。

私は仕事が大好きで、第1子出産時の勤務先は時短勤務もできて働きやすい会社だったので、上の子を出産した後は当たり前のように仕事に復帰しました。ただ、子どもを預けられたのが2歳児クラスまでの小規模保育園で、3歳児以降も通える認可園への転園を希望していたのですが、なかなか叶いませんでした。そんな状況の中で子どもが入院したことがきっかけとなり、復職後3年ほどで退職しました。下の子が生まれたのは、その次の年です。

もともとは、「定年退職をしても嘱託で仕事を続けるのが夢」というほど仕事が好きだったので、退職は人生の岐路になる大きな決断でした。でも、その時はそれが最善策だと考えたのです。ただ、これからずっと仕事をしない人生は考えられず、いつかは必ず復職しようと思っていました。今年度から下の子が幼稚園に通い初めたので、子育てしながらできる働き方を模索し始めました。派遣会社に登録したり、子どもの小学校で英語講師のボランティアもしています。

ママボノのことは、再就職に関するセミナーがきっかけで知りました。ちょうど2017年度のメンバーを募集していたので、「これをきっかけに何かやってみようかな」と思ったのです。

ほとんど顔を合わせなくても、みんなで同じ方向を向いてスムーズに仕事が進んだ

ママボノでは、「東京釣り協会」というNPO団体のウェブサイトを作るプロジェクトを8人のチームで担当しました。ウェブサイトのメニューが7つあったので、ひとりが1メニューを担当し、リーダーが全体を見る、という形で分担。私はブログのしくみを作り、協会の方が書いたコラムを登録したり、協会の方のためのマニュアル制作をしたりしました。

ほぼ1ヶ月という短い期間の中で作り上げなければならなかったのですが、メンバーのほとんどがIT系やインターネットに関わる仕事をされている方たちだったので、スキルの面で課題は感じられませんでした。互いに顔を合わせたのはキックオフのときと、その後のミーティング、最後の成果報告会の3回だけです。それ以外はLINEを中心にオンラインでやり取りして進めましたが、最初からみんなが同じ方向を向いて、同じペースで進んでいたので、とてもスムーズでした。誰かが何か言ったら「じゃあ、それは私がやる」とか「こうしよう」と、物事がサクサク決まっていきました。

利用しているウェブサイトのしくみ上、複数人が同時にログインして作業することができませんでした。そのため、作業の始めと終わりに必ずLINEで「始めます」、「ログアウトします」と連絡をして、他の人はそれを見てタイミングを見計らって次の作業を始める、という感じでした。皆さんが上手く連携し、上手に時間をやりくりして進めていましたね。私以外のメンバーは育休中だったので、赤ちゃんが寝ている夜中に作業をする方が多く、私は子ども達が小学校と幼稚園に行っている昼間に進めることが多かったです。

ママボノの活動を楽しむことができ、自信を取り戻した

ママボノの活動は、すごく楽しかったです。そして、復職に向けての自信につながりました。

他のメンバーは育休中ということで、ついこの間まで現場で仕事をしていたわけですから、最初はみんなのスピードについていけるかという不安がありました。でも、実際にやってみるとその不安は解消されました。素直に楽しいと思えたので、「あれ? まだいけそうだな」と。

もしママボノへの参加を迷っている方がいたら、気楽に参加してみることをおすすめします。スキルアップや復職の準備をしようと気負いすぎず、会社以外の知り合いやネットワークが作れる、というくらいの気持ちでやってみるのがいいのかもしれません。

子どもが大きくなった時に充実した時間を持てるよう、社会と関わっていたい

私にとってママボノが楽しかった理由のひとつは、普段はできない会話ができたということがあります。今回のチームにIT業界の人が多かったので、話がポンポン通じるのがとても心地良かったのです。普段接しているママ友同士の会話とはまた違う世界を久しぶりに体感し、働くことにより積極的な気持ちになりました。

今は子どもが幼稚園に行っている間にできる働き方を、と考えているので、なかなか条件に合う仕事を見つけるのが難しいです。でも、こういう状況がずっと続くわけではなくて、子どもたちが中学生くらいになれば、自分の時間をたくさんもつことができるはずです。そのときに充実した時間を持てるよう、今から少しでもできることを見つけ、社会と関わっていきたいと思います。

(2018年1月取材)

渡辺 佳織さん

渡辺 佳織さん

家族構成:夫・娘(参加時0歳)
仕事内容:出版社販売部
勤務体制:育休取得・復職
参加年度:2017年度

ママボノを経験して職場復帰の心構えができた

祖父母などのサポートがない状態で、子どもがいても仕事を続けていけるのか…。ずっと職場復帰したあとの生活に、漠然とした不安がありました。そんなとき、自治体の働くママ向けセミナーで、ママボノのチラシをもらいました。もともと育児休暇中にボランティアをしたい、と思っていたことと、ママボノの経験がスムーズな職場復帰につながるのではないか、という期待があって参加を決めました。

本職のスキルを生かせるプロジェクトに参加

支援先の「シャイン・オン・キッズ」は、小児がんや重い病気の子どもたちとその家族を、心のケアなどで支えているNPO法人です。活動の一環として、入院中の子どもや家族の心を癒す「ファシリティドッグ(犬)」を病院に常駐させる活動をしています。依頼内容は、このプログラムの支援者を募るパンフレットを作ってほしい、というものでした。

私は出版社に勤務していて、普段は出版物の販促を担当しています。ポスターやチラシを作って、商品のプロモーションを行う仕事をしているので、パンフレットづくりは本職のスキルを生かせるプロジェクトでした。

一方、メンバーは6人いましたが、営業や販売職の方が多く、パンフレットを作るのは初めて、という方がほとんどでした。でも、リーダーをはじめ、ヒアリング調査やその結果の整理、ライティングをするなど、それぞれにできそうなことに担当を分けて作業を進めました。

ママたちの前向きな姿勢に刺激を受けた

私は、デザインスキルのある方と一緒にデザインやレイアウトを担当しました。その方がプロジェクトの途中で職場復帰する予定だったので、2人でできるうちに大枠が完成するよう調整しました。

どのようなパンフレットが求められているのか、最初はなかなかイメージがわきませんでした。そのため日本赤十字社やユニセフなど他団体の資料を取り寄せ、参照することで、どのような内容が良いか、理解を深めました。また使用写真の制約などもあったので、一つ一つ確認しながら進めました。メンバーとはメールやビデオチャットで連絡を取り合っていましたが、会って話さないと細かいニュアンスが伝わらなかったり、聞きたいことが確認できなかったり、というもどかしさもありました。そのため、全員は無理でも、3人集まれるなら集まるようにして、リーダーの自宅や無料の会議室を借りて作業する日もありました。

ママボノのチームは異業種の集まりなので、仕事の進め方やメールの書き方一つにしても違いがあって面白かったです。ほかのチームを見ていても、仕事と子育ての両立に前向きなママさんばかりで、私も頑張ろうと、刺激を受けました。

あふれる想いと大きな達成感

プロジェクトを通じて「ファシリティドッグ」について知ったのはもちろん、難病の子どもたちやそのご家族、そして医療現場の人たちが日々、奮闘されている様子に触れました。取材や勉強を重ねるうち、「ファシリティドッグ」の大きな存在意義を感じ、もっと広くみんなに支援してもらいたい、という想いがあふれました。

メンバー全員がすっかり感情移入してしまい、パンフレット制作への取り組みが、どんどん真剣になっていったのが印象に残っています。いま思い返しても、チームで同じ目標に向かって頑張るのは、とても素晴らしい経験でした。

支援先の方は、ママである私たちなら、病気の子どもたちとその家族の気持ち、また「ファシリティドッグ」の果たす役割をちゃんと理解してくれるだろう、と期待してくれていたそうです。

だからこそ、できあがったパンフレットを、支援先団体の皆さんに大変喜んでいただけたときは大きな達成感がありました。メンバーとは、本職の仕事でもこれぐらい喜んでもらえる仕事をしたいね、と笑いあったのが忘れられません。

リスクヘッジの大切さを実感

チーム内で、メンバーの子どもが突然、熱を出すような場面は何度かありました。私も、ちょうどキックオフミーティングの時に子どもから風邪をもらってしまい、支援先の方との顔合わせである初回の集まりに参加できないというスタートになってしまいました。

そんなときも、お互いの状況を理解して、スムーズにフォローし合えるのがママボノでした。ですが、職場ではいろいろな立場の人がいて、理解を得るのが難しいこともあると思います。だからこそ職場復帰後は、自分が急に休んでも迷惑をかけないよう、自分の仕事内容を常日頃から周囲と共有しておくなど、リスクヘッジしておかなければいけないと実感しました。

職場復帰を2か月後に控え、完全に不安がぬぐい切れたとは言えません。でも、ママボノの経験で、復帰後のイメージや心の準備ができたのは確かです。実際に復帰したあとはいろいろなことがあると思いますが、前向きな気持ちで仕事に取り組んでいきたいです。

気負わず、まずはチャレンジ

ママボノは、最初からあまり気負わず、興味さえあればまずはチャレンジしてみるといいと思います。実際のところ、子どもをあやしながらミーティングをするのは大変でした。それでも得られるものは大きいですし、私自身は支援先団体の活動に触れるにつれ、理解が深まってやる気がアップしていきました。とても良い経験ができたと思っているので、参加を迷っている人がいれば、ぜひ挑戦してみてほしいです。

(2018年2月取材)

岡崎 紅実さん

岡崎 紅実さん

家族構成:夫・息子(参加時1歳)
仕事内容:教育などの総合サービス展開企業で組織営業
勤務体制:育休取得・復職
参加年度:2017年度

ママボノで体感した“社会貢献の気持ちの連鎖”

自分でもユニークだと思うのですが、育休中に「ママ友を100人作る!」という目標を掲げていました。育休中の不安やモヤモヤした気持ちを上司に相談したとき、コミュニケーション力という私の強みを磨くため、具体的な数値目標を立ててママ友づくりに取り組んでみたら、と薦められたのがきっかけです。そこで、ママボノならたくさんママ友ができるのではないかと期待する気持ちもあって参加を決めました。

支援先との深い絆で全力投球

プロジェクトの支援先は、高台にある住宅地から市街地への移動支援をはじめ、住民同士で生活のサポートを行っている「ほっとらいふ」(大阪府富田林市)。依頼内容は、支援の担い手向けにマニュアルを作るというものでした。

まずは代表の梅田さんから、たくさんのことをヒアリングさせていただきました。梅田さんは活動のすべてが頭の中に入っている、といっても過言ではないほど、一手に運営を引き受けてこられた方です。とにかくヒアリングする時間が必要で、梅田さんには何度も富田林から出てきてもらったのですが、いつも嫌な顔一つせず笑顔で対応してくれました。

移動支援は必要だけれど、実運用には至っていない自治体はたくさんあります。梅田さんは、そのようなほかの地域にも、ほっとらいふの成功体験を伝えたい、と強く願っていました。気づけばメンバー全員に、梅田さんの願いを実現する力になりたい、という想いが自然と芽生えていたと思います。このような“社会貢献の気持ちの連鎖”に、自分自身が身を置いていることを強く実感しました。

メンバーは6人いて、マニュアルの前後半で分かれて制作に取りかかりました。本業の関係で用語の使い方に詳しいメンバーがいるなど、それぞれの得意なスキルを生かせたのは良かったです。

私はチーム内の雰囲気をよくしたり、支援先と良い関係を築いたり、“盛り上げ隊長”としてサポート。コミュニケーションの部分や、成果発表の発表者として自分の強みを発揮できたと思います。

最終的には、過去の資料やヒアリングの内容を整理して、全7章23ページのマニュアルと別添資料集の2つを完成させることができました。とにかく良いものを作りたい、という想いで、メンバー全員と梅田さんが一丸となって取り組んだ日々でした。

プロジェクトの終了から約2カ月後、富田林で打ち上げの会を開いてもらったことも忘れられません。私たちは初めて富田林を訪れ、ほかの「ほっとらいふ」の方々にお会いしたり、移動支援の様子を見せてもらったり。たくさん手作りの料理をごちそうになって、子どもたちも一緒に楽しい時間を過ごさせてもらいました。支援先とここまで仲良く、強い絆ができたのも私たちにとって大きな宝物です。

本業のスキルに自信を持てた

ママボノに参加して良かったと思うのは、組織営業や誰かのフォロワーを務める本業のスキルが、本業以外の場所でも発揮できると分かったことです。自分の強みを“横展開”させられたのは貴重な機会で、大きな自信になりました。

またメンバーには第2子のお母さんもいたので、職場復帰の準備や保育園探しのノウハウなどを相談できました。同じ時期に出産した者同士、何でも相談できるのは本当に心強かったです。

子どもの病気などで誰が抜けても対応できる体制をチームで作ったり、限られた時間で仕事をこなす工夫をしたりした経験も、職場復帰後のイメージづくりに役立ったと思います。

好きでやっていることだから

育休中に何かスキルアップできることはないかと思っていても、何をしたら良いか分からなかったり、最初の一歩が踏み出せなかったりする人がほとんどではないでしょうか。ママボノには興味があっても、自分でもできるか不安に思う方が多いかもしれません。でも、意外とみんな迷いながら参加しているものなので、取りあえず飛び込んでみてほしいと思います。

例えば、私たちのチームにいた看護師の方は、一般企業でプロジェクトを進めた経験がないので最初は戸惑いを感じたそうです。でもその不安な気持ちを正直に言える雰囲気がチーム内にあったので、みんなでうまくサポートし合えることができました。

私もほかに関わっている活動が忙しかったので、ママボノで作業する時間が限られていることを最初に宣言しました。マニュアル作成の実務作業はほかのメンバーに頼りましたが、文句が出ることはありませんでした。

それぞれに事情があるので、みんながみんな、全力でママボノに関わる、ということはできません。あくまで「自分が好きでやっていること」というスタンスで、できる範囲で関わり、楽しめる雰囲気を作れたのが私たちのチームの大きな魅力でした。

ママ友を100人作る、という目標は、現段階で130人を超えるまでになったので無事に達成できました。でもママボノでは単純に数ではない絆で結ばれたママ友ができ、本当に良かったです。

メンバーとは今でもLINEグループでやりとりをしていて、家事の時短テクや料理のレシピなど情報交換を楽しんでいます。違う業種の人たちがそれぞれに頑張っている様子を見ると私自身も刺激を受けています。

自分からぜひアクションを

実際に今、職場復帰をして、ママボノをはじめ、育休中にいろいろとアクションを起こしたことはすべて無駄ではなかったと感じています。

また、勤務先とこまめに連絡を取っていたこともスムーズな職場復帰につながりました。会社によって違いはあると思いますが、育休中の女性社員が上司や人事担当者と定期的にコミュニケーションを取れる機会が増えると、職場復帰後の不安も軽減されるのではないでしょうか。

職場復帰後の働き方に不安がある方がいれば、躊躇せず、どんどん自分からアクションを起こしてほしいです。

中溝 知里さん

中溝 知里さん

家族構成:夫・娘(参加時4歳)・息子(参加時1歳)
仕事内容:電機メーカーのソリューション事業部主任
勤務体制:育休取得・復職
参加年度:2017年度

ママボノで経験した新しい仕事とリーダーシップ―復帰後の働き方に自信

第1子の育休中は、産後1年未満で復帰したこともあり、子育て中心に過ごしました。一方、第2子のときは2年近くの育休期間があり、外に目を向ける時間的な余裕がありました。そこで、同じようなタイミングで復職し、仕事へのマインドを持っている友人ができたらいいな、という軽い気持ちでママボノへの参加を決めました。

この機会を最大限に生かして

参加したプロジェクトは、品川区社会福祉協議会の有償ボランティア「さわやかサービス」が協力会員を増やすためのマーケティング基礎調査でした。ずっとSEとして働いてきたので、今まで自分がやったことのない業務に挑戦したかったからです。

私はリーダーとして支援先との窓口やメンバーの役割分担、進捗管理を主に担当しました。メンバーは様々な業界で頑張っている人たちなので、その特徴やスキルや個性をうまく生かし、どうファシリテートするか、が問われました。

そこで意識して取り組んだのが、せっかくの機会を生かして、一人一人の学びを最大化する、ということ。

メンバーの年齢には幅があり、職種も違えば、子どもの年齢も違い、第1子から第3子のママまでさまざまでした。当然、考え方も立ち位置も、エネルギーも違います。そういった違いを肌で感じ、良いものはどんどん自分に吸収していってほしい。ただ会って話をするだけでは難しいけれど、ママボノで一緒に作業していると見えてくるものは多いと思いました。

そのため、役割ごとにグループを分けましたが、メンバーは固定せず、定期的に入れ替えるようにしました。そうすると、全員が全員と仕事をしたことがある状態になり、よりたくさんのことを学び合えると思ったからです。

私自身も、最高のパフォーマンスが出るように、メンバーの組み合わせを考えるのはパズルのようで面白かったです。実際にメンバーは予想以上の力を発揮してくれましたし、リーダーの醍醐味を感じることができました。

肩ひじ張らない育児

ママボノの活動は単純に楽しかったですし、気持ちのリフレッシュにもなりました。育休中でも時間を意識して過ごせましたし、子どもが病気のときにどうするか、など、復帰後のシミュレーションもできました。

実はチームの最初の顔合わせのとき、子どもが熱を出してしまったのですが、夫が会社を休んでくれたおかげで無事に参加できました。これまでは、夫に申し訳ないと言う気持ちがあって、自分一人で何とかしようとしていたかもしれません。

でも今回の経験で、自分だけで凝り固まらず、夫ともちゃんと話して想いを共有する大切さに気付きました。復帰後も肩ひじを張らず、頼るところはうまく頼りながら育児と仕事を両立させていきたいと思います。

復帰後の働き方に自信が付いた

ママボノに参加して良かったことは、仕事のイメージを忘れずに過ごし、復帰に向けてポジティブな気持ちになれたことです。メンバーとはオンラインのやりとりがほとんどでしたが、チームとしてきちんと機能し、成果物を完成させることができました。限られた時間で対面でなくても、ちゃんとメンバー同士、意思疎通を図れる、ということを肌で感じられたのは、復帰後の自信につながりました。

何より、支援先の方々がプロジェクト終了後、実際に私たちが提案した内容を実行にうつしてくれたことが、とてもうれしかったです。おかげで、未知なる分野で仕事をするのも楽しい、と大いに実感できました。今後もし、本業で新しいフィールドの仕事に取り組むときでも、不安なく挑戦できると思います。一方で、SEとしてずっと身に付けてきた経験やスキルが、ほかのどの仕事でも役立つんだな、と確認できたのも良かったです。

ママボノで学んだ新しいリーダーシップ

ママボノでは、知り合ったばかりのメンバーが集まって、2ヶ月という限られた期間で成果物を作り上げました。リーダーとして難しい側面もありましたが、この経験は本業でも、チームの立ち上げと実行のスピードを上げていくのに役立つと思います。

普段の仕事でのリーダーシップの違いで言うと、ママボノのメンバー間には上下関係がありません。そのためメンバーに動いてもらうためには、ちゃんと話して納得してもらったり、私も相手の想いをくみ取ったりすることが必須でした。

この経験から、もしかしたら今までは、上下関係による立場の違いが前提にある中で、仕事を進めることが多かったかもしれないと気づきました。同じ想いを共有し、納得することができれば、立場に関係なく人は動く、ということを学べたのは、本業のリーダーシップにも有用な経験だったと思います。

だれにとっても働きやすい環境を

チームやバディーを組んで仕事をし、だれかが急に休んでも十分にカバーできる体制が作れれば、育児中の女性も安心していきいきと働き続けられると思います。それはきっと、年齢や性別、立場に関係なく、だれにとっても働きやすい環境を作ることにつながるはずだと信じています。

(2018年2月取材)

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