ママボノ

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参加ママの声

参加ママの声

ママボノに参加したママたちは、ママボノでどのような経験をしたのでしょうか。すでに復職をしたママたちは、どのように復職を迎え、どのような生活を送っているのでしょうか? ママボノを経験した先輩ママたちに、参加体験談や、復職後「働く」と「子育て」をどうやりくりしママボノでの経験がそこにどう活きているのか、聞いてみました。

播摩史子さん

播摩史子さん

家族構成:夫、息子(0歳)
仕事内容:秘書
勤務体制:育休取得・復職
参加年度:2018年度

ママボノ経験は育休中の特権。最高の仲間との出会いに刺激をもらう

私は仕事が好きなんですが、「“ふだんとは違う環境に身を置いてみる”ということは長い会社人生では案外プラスになるかも」とも感じていました。そこで産休前に「会社で働いている時にはできない時間の使い方をしてみたい。育休の時間を活かして何かできないかな?」と社内のイントラで調べていたところ、育休取得者向けの情報としてママボノが紹介されていたんです。NPOには全然詳しくなかったんですが「これだ!」と思い、申し込みました。夫は「せっかく休める機会なのに、がんばるね…」と驚いていました。

経験はなかったけれど、マーケティング基礎調査のプロジェクトリーダーに

マーケティングに興味があり、高齢者向けの教室や居場所として立ち上げたばかりのNPO「ここから100」さんのマーケティング基礎調査プロジェクトにかかわることを第一希望として伝えました。その際、「チームリーダーに関心がありますか?」という設問があったので「どなたもいなければやってもいいかな」というくらいの気持ちで回答したところ、後日「ここから100」さんのプロジェクトの6人チームのリーダーを打診されました。

でも、私はマーケティング業務の経験がなかったこともあって、やはり不安になり、「私でもできますかね?」と事務局に相談したんです。すると、事務局スタッフの方は「ママボノのチームリーダーという役割は、上司・部下の関係でマネジメントするようなものではなく、NPOとのやりとりをする際の取りまとめ、窓口担当みたいな感じですよ」とアドバイスしてくれたので、それならできるかもしれない、と思ってトライすることにしました。

最高のメンバーと、気持ちよく仕事ができた「ドリームチーム」

参加して何が良かったかといえば、私にとってはママボノのメンバー達との出会いが一番の収穫でした!すべてのメンバーが、同じ課題に向かってそれぞれが主体的に考え、強い想いを持って率先して動く。例えばタスクを洗い出して、じゃあ誰がやる?というシーンでは「私これやるよ」「じゃあ私はこっち!」と、うかうかしていると、あっという間にタスクがなくなりそうなほど積極的で、「なんてサクサクと進んで気持ちがいいんだ!」と感激しました。仕事も育児もあきらめたくない、と思う人たちばかりのなかで働くのは、とても刺激的で居心地が良かったです。

もちろん、子どもの体調不良などで急遽ミーティングに参加できない…というシーンもありましたが、各役割に主担当と副担当を決めていたのでそこは自然に「お互いさま」と気持ちよくカバーし合うことができました。

私は第一子の育休で参加しましたが、他のメンバーには二人目、三人目のママもいて、育児・家事・仕事の両立の心構えもいっぱい教えてもらえましたね。地域のママ友と比べると、ママボノのメンバーは育休があけるタイミングがほぼ同じ(子どもが0歳~1歳)なので、状況も立場も似ていて話しやすかったんです。

プロジェクトが終わった後も、打ち上げ、近況報告などと、なんだかんだでこの4ヶ月の間に3~4回はこのチームで集まってお話しています。(笑)マーケティング調査で支援先の地域のことを調べていた時に見つけた、子連れにやさしいカフェは、お気に入りの場所になりました。素晴らしい仲間も、この場所も、ママボノをしなければ出会えていなかったと考えると、「やってよかった!」しかありません。ママボノってホント、「育休中の特権」だと思います。(笑)

復帰後のシミュレーションを、本番前にすることができた

もうひとつよかったのは、復帰後のシミュレーションが具体的にできたということです。

例えば、ママボノをするまでは、私は割とのんびりとした時間の使い方をしていたのですが、「いつまでに○○をしなければならない」という明確な締め切りがあることで、「例えば20時までに子どもを寝かしつけるためには、この家事をこの時間までに終えて…」と段取りが必要になってきます。そのおかげで生活リズムを含めた時間の使い方が、けっこう変わりました。

また、キックオフなど全体ミーティングの時はサービスグラントさんが手配してくださった保育士さんに子どもを預けられるということもあり、他のママボノのメンバーはみんな子連れで参加していました。私はあえて毎回義理の母に家に来てもらって、子どもを見てもらっていました。義母が「息子と会いたい」と言ってくれたことに甘えたということもありますが、私は「預けることに慣れる」、義母は「預かることに慣れる」ことができたというメリットもあります。このあたりは、育休からいきなり仕事に復帰するのではなく、本番前に予行練習ができてよかった、と思います。メンバーの先輩ママ先輩ママボノメンバーには「夫へ家事をお願いするときは、タスクを可視化してリストにしたほうが伝わりやすい」などの工夫を教えてもらったり。そういうアドバイスも参考になりました(笑)

できる範囲で大丈夫。迷っているならやってみてほしい

もし、「家事・育児以外のこともやりたいな」と思っている人がいるなら、ママボノは本当にオススメです。「ママボノをやる人なんて、相当バイタリティある人でしょ?私はそこまで頑張れない」と思う人もいるかもしれませんが、ものすごいバイタリティが必要なわけではないんです。もちろん、そんな人もいますが、そうでない人もたくさんいます。それぞれができることを自分のペースでやるだけでいいんです。事務局の方も「無理してないかな?大丈夫?」とケアしてくれますし、「やらない」よりは、「できる範囲でやってみる」という気持ちでもいいので勇気を出して参加してみるといいと思います。

(2019年2月取材)

大原 ななえさん

大原 ななえさん

家族構成:夫、息子(7歳)娘(3歳)
仕事内容:前職・社内SE、再就職・IT講師
勤務体制:再就職・時短勤務
参加年度:2017年度

ママボノが4年のブランクの不安を解消し、仕事の楽しさを思い出させてくれた

専業主婦になって4年。下の子が幼稚園に入って気持ちと時間の余裕ができ、求職活動を始めました。その過程でママボノを知り、「何かのきっかけになるのでは」と、参加を決めました。

4年のブランクを経て復職を考え始め、ママボノに出会った

今、小学校2年生の息子と幼稚園児の娘がいます。

私は仕事が大好きで、第1子出産時の勤務先は時短勤務もできて働きやすい会社だったので、上の子を出産した後は当たり前のように仕事に復帰しました。ただ、子どもを預けられたのが2歳児クラスまでの小規模保育園で、3歳児以降も通える認可園への転園を希望していたのですが、なかなか叶いませんでした。そんな状況の中で子どもが入院したことがきっかけとなり、復職後3年ほどで退職しました。下の子が生まれたのは、その次の年です。

もともとは、「定年退職をしても嘱託で仕事を続けるのが夢」というほど仕事が好きだったので、退職は人生の岐路になる大きな決断でした。でも、その時はそれが最善策だと考えたのです。ただ、これからずっと仕事をしない人生は考えられず、いつかは必ず復職しようと思っていました。今年度から下の子が幼稚園に通い初めたので、子育てしながらできる働き方を模索し始めました。派遣会社に登録したり、子どもの小学校で英語講師のボランティアもしています。

ママボノのことは、再就職に関するセミナーがきっかけで知りました。ちょうど2017年度のメンバーを募集していたので、「これをきっかけに何かやってみようかな」と思ったのです。

ほとんど顔を合わせなくても、みんなで同じ方向を向いてスムーズに仕事が進んだ

ママボノでは、「東京釣り協会」というNPO団体のウェブサイトを作るプロジェクトを8人のチームで担当しました。ウェブサイトのメニューが7つあったので、ひとりが1メニューを担当し、リーダーが全体を見る、という形で分担。私はブログのしくみを作り、協会の方が書いたコラムを登録したり、協会の方のためのマニュアル制作をしたりしました。

ほぼ1ヶ月という短い期間の中で作り上げなければならなかったのですが、メンバーのほとんどがIT系やインターネットに関わる仕事をされている方たちだったので、スキルの面で課題は感じられませんでした。互いに顔を合わせたのはキックオフのときと、その後のミーティング、最後の成果報告会の3回だけです。それ以外はLINEを中心にオンラインでやり取りして進めましたが、最初からみんなが同じ方向を向いて、同じペースで進んでいたので、とてもスムーズでした。誰かが何か言ったら「じゃあ、それは私がやる」とか「こうしよう」と、物事がサクサク決まっていきました。

利用しているウェブサイトのしくみ上、複数人が同時にログインして作業することができませんでした。そのため、作業の始めと終わりに必ずLINEで「始めます」、「ログアウトします」と連絡をして、他の人はそれを見てタイミングを見計らって次の作業を始める、という感じでした。皆さんが上手く連携し、上手に時間をやりくりして進めていましたね。私以外のメンバーは育休中だったので、赤ちゃんが寝ている夜中に作業をする方が多く、私は子ども達が小学校と幼稚園に行っている昼間に進めることが多かったです。

ママボノの活動を楽しむことができ、自信を取り戻した

ママボノの活動は、すごく楽しかったです。そして、復職に向けての自信につながりました。

他のメンバーは育休中ということで、ついこの間まで現場で仕事をしていたわけですから、最初はみんなのスピードについていけるかという不安がありました。でも、実際にやってみるとその不安は解消されました。素直に楽しいと思えたので、「あれ? まだいけそうだな」と。

もしママボノへの参加を迷っている方がいたら、気楽に参加してみることをおすすめします。スキルアップや復職の準備をしようと気負いすぎず、会社以外の知り合いやネットワークが作れる、というくらいの気持ちでやってみるのがいいのかもしれません。

子どもが大きくなった時に充実した時間を持てるよう、社会と関わっていたい

私にとってママボノが楽しかった理由のひとつは、普段はできない会話ができたということがあります。今回のチームにIT業界の人が多かったので、話がポンポン通じるのがとても心地良かったのです。普段接しているママ友同士の会話とはまた違う世界を久しぶりに体感し、働くことにより積極的な気持ちになりました。

今は子どもが幼稚園に行っている間にできる働き方を、と考えているので、なかなか条件に合う仕事を見つけるのが難しいです。でも、こういう状況がずっと続くわけではなくて、子どもたちが中学生くらいになれば、自分の時間をたくさんもつことができるはずです。そのときに充実した時間を持てるよう、今から少しでもできることを見つけ、社会と関わっていきたいと思います。

(2018年1月取材)

渡辺 佳織さん

渡辺 佳織さん

家族構成:夫・娘(参加時0歳)
仕事内容:出版社販売部
勤務体制:育休取得・復職
参加年度:2017年度

ママボノを経験して職場復帰の心構えができた

祖父母などのサポートがない状態で、子どもがいても仕事を続けていけるのか…。ずっと職場復帰したあとの生活に、漠然とした不安がありました。そんなとき、自治体の働くママ向けセミナーで、ママボノのチラシをもらいました。もともと育児休暇中にボランティアをしたい、と思っていたことと、ママボノの経験がスムーズな職場復帰につながるのではないか、という期待があって参加を決めました。

本職のスキルを生かせるプロジェクトに参加

支援先の「シャイン・オン・キッズ」は、小児がんや重い病気の子どもたちとその家族を、心のケアなどで支えているNPO法人です。活動の一環として、入院中の子どもや家族の心を癒す「ファシリティドッグ(犬)」を病院に常駐させる活動をしています。依頼内容は、このプログラムの支援者を募るパンフレットを作ってほしい、というものでした。

私は出版社に勤務していて、普段は出版物の販促を担当しています。ポスターやチラシを作って、商品のプロモーションを行う仕事をしているので、パンフレットづくりは本職のスキルを生かせるプロジェクトでした。

一方、メンバーは6人いましたが、営業や販売職の方が多く、パンフレットを作るのは初めて、という方がほとんどでした。でも、リーダーをはじめ、ヒアリング調査やその結果の整理、ライティングをするなど、それぞれにできそうなことに担当を分けて作業を進めました。

ママたちの前向きな姿勢に刺激を受けた

私は、デザインスキルのある方と一緒にデザインやレイアウトを担当しました。その方がプロジェクトの途中で職場復帰する予定だったので、2人でできるうちに大枠が完成するよう調整しました。

どのようなパンフレットが求められているのか、最初はなかなかイメージがわきませんでした。そのため日本赤十字社やユニセフなど他団体の資料を取り寄せ、参照することで、どのような内容が良いか、理解を深めました。また使用写真の制約などもあったので、一つ一つ確認しながら進めました。メンバーとはメールやビデオチャットで連絡を取り合っていましたが、会って話さないと細かいニュアンスが伝わらなかったり、聞きたいことが確認できなかったり、というもどかしさもありました。そのため、全員は無理でも、3人集まれるなら集まるようにして、リーダーの自宅や無料の会議室を借りて作業する日もありました。

ママボノのチームは異業種の集まりなので、仕事の進め方やメールの書き方一つにしても違いがあって面白かったです。ほかのチームを見ていても、仕事と子育ての両立に前向きなママさんばかりで、私も頑張ろうと、刺激を受けました。

あふれる想いと大きな達成感

プロジェクトを通じて「ファシリティドッグ」について知ったのはもちろん、難病の子どもたちやそのご家族、そして医療現場の人たちが日々、奮闘されている様子に触れました。取材や勉強を重ねるうち、「ファシリティドッグ」の大きな存在意義を感じ、もっと広くみんなに支援してもらいたい、という想いがあふれました。

メンバー全員がすっかり感情移入してしまい、パンフレット制作への取り組みが、どんどん真剣になっていったのが印象に残っています。いま思い返しても、チームで同じ目標に向かって頑張るのは、とても素晴らしい経験でした。

支援先の方は、ママである私たちなら、病気の子どもたちとその家族の気持ち、また「ファシリティドッグ」の果たす役割をちゃんと理解してくれるだろう、と期待してくれていたそうです。

だからこそ、できあがったパンフレットを、支援先団体の皆さんに大変喜んでいただけたときは大きな達成感がありました。メンバーとは、本職の仕事でもこれぐらい喜んでもらえる仕事をしたいね、と笑いあったのが忘れられません。

リスクヘッジの大切さを実感

チーム内で、メンバーの子どもが突然、熱を出すような場面は何度かありました。私も、ちょうどキックオフミーティングの時に子どもから風邪をもらってしまい、支援先の方との顔合わせである初回の集まりに参加できないというスタートになってしまいました。

そんなときも、お互いの状況を理解して、スムーズにフォローし合えるのがママボノでした。ですが、職場ではいろいろな立場の人がいて、理解を得るのが難しいこともあると思います。だからこそ職場復帰後は、自分が急に休んでも迷惑をかけないよう、自分の仕事内容を常日頃から周囲と共有しておくなど、リスクヘッジしておかなければいけないと実感しました。

職場復帰を2か月後に控え、完全に不安がぬぐい切れたとは言えません。でも、ママボノの経験で、復帰後のイメージや心の準備ができたのは確かです。実際に復帰したあとはいろいろなことがあると思いますが、前向きな気持ちで仕事に取り組んでいきたいです。

気負わず、まずはチャレンジ

ママボノは、最初からあまり気負わず、興味さえあればまずはチャレンジしてみるといいと思います。実際のところ、子どもをあやしながらミーティングをするのは大変でした。それでも得られるものは大きいですし、私自身は支援先団体の活動に触れるにつれ、理解が深まってやる気がアップしていきました。とても良い経験ができたと思っているので、参加を迷っている人がいれば、ぜひ挑戦してみてほしいです。

(2018年2月取材)

岡崎 紅実さん

岡崎 紅実さん

家族構成:夫・息子(参加時1歳)
仕事内容:教育などの総合サービス展開企業で組織営業
勤務体制:育休取得・復職
参加年度:2017年度

ママボノで体感した“社会貢献の気持ちの連鎖”

自分でもユニークだと思うのですが、育休中に「ママ友を100人作る!」という目標を掲げていました。育休中の不安やモヤモヤした気持ちを上司に相談したとき、コミュニケーション力という私の強みを磨くため、具体的な数値目標を立ててママ友づくりに取り組んでみたら、と薦められたのがきっかけです。そこで、ママボノならたくさんママ友ができるのではないかと期待する気持ちもあって参加を決めました。

支援先との深い絆で全力投球

プロジェクトの支援先は、高台にある住宅地から市街地への移動支援をはじめ、住民同士で生活のサポートを行っている「ほっとらいふ」(大阪府富田林市)。依頼内容は、支援の担い手向けにマニュアルを作るというものでした。

まずは代表の梅田さんから、たくさんのことをヒアリングさせていただきました。梅田さんは活動のすべてが頭の中に入っている、といっても過言ではないほど、一手に運営を引き受けてこられた方です。とにかくヒアリングする時間が必要で、梅田さんには何度も富田林から出てきてもらったのですが、いつも嫌な顔一つせず笑顔で対応してくれました。

移動支援は必要だけれど、実運用には至っていない自治体はたくさんあります。梅田さんは、そのようなほかの地域にも、ほっとらいふの成功体験を伝えたい、と強く願っていました。気づけばメンバー全員に、梅田さんの願いを実現する力になりたい、という想いが自然と芽生えていたと思います。このような“社会貢献の気持ちの連鎖”に、自分自身が身を置いていることを強く実感しました。

メンバーは6人いて、マニュアルの前後半で分かれて制作に取りかかりました。本業の関係で用語の使い方に詳しいメンバーがいるなど、それぞれの得意なスキルを生かせたのは良かったです。

私はチーム内の雰囲気をよくしたり、支援先と良い関係を築いたり、“盛り上げ隊長”としてサポート。コミュニケーションの部分や、成果発表の発表者として自分の強みを発揮できたと思います。

最終的には、過去の資料やヒアリングの内容を整理して、全7章23ページのマニュアルと別添資料集の2つを完成させることができました。とにかく良いものを作りたい、という想いで、メンバー全員と梅田さんが一丸となって取り組んだ日々でした。

プロジェクトの終了から約2カ月後、富田林で打ち上げの会を開いてもらったことも忘れられません。私たちは初めて富田林を訪れ、ほかの「ほっとらいふ」の方々にお会いしたり、移動支援の様子を見せてもらったり。たくさん手作りの料理をごちそうになって、子どもたちも一緒に楽しい時間を過ごさせてもらいました。支援先とここまで仲良く、強い絆ができたのも私たちにとって大きな宝物です。

本業のスキルに自信を持てた

ママボノに参加して良かったと思うのは、組織営業や誰かのフォロワーを務める本業のスキルが、本業以外の場所でも発揮できると分かったことです。自分の強みを“横展開”させられたのは貴重な機会で、大きな自信になりました。

またメンバーには第2子のお母さんもいたので、職場復帰の準備や保育園探しのノウハウなどを相談できました。同じ時期に出産した者同士、何でも相談できるのは本当に心強かったです。

子どもの病気などで誰が抜けても対応できる体制をチームで作ったり、限られた時間で仕事をこなす工夫をしたりした経験も、職場復帰後のイメージづくりに役立ったと思います。

好きでやっていることだから

育休中に何かスキルアップできることはないかと思っていても、何をしたら良いか分からなかったり、最初の一歩が踏み出せなかったりする人がほとんどではないでしょうか。ママボノには興味があっても、自分でもできるか不安に思う方が多いかもしれません。でも、意外とみんな迷いながら参加しているものなので、取りあえず飛び込んでみてほしいと思います。

例えば、私たちのチームにいた看護師の方は、一般企業でプロジェクトを進めた経験がないので最初は戸惑いを感じたそうです。でもその不安な気持ちを正直に言える雰囲気がチーム内にあったので、みんなでうまくサポートし合えることができました。

私もほかに関わっている活動が忙しかったので、ママボノで作業する時間が限られていることを最初に宣言しました。マニュアル作成の実務作業はほかのメンバーに頼りましたが、文句が出ることはありませんでした。

それぞれに事情があるので、みんながみんな、全力でママボノに関わる、ということはできません。あくまで「自分が好きでやっていること」というスタンスで、できる範囲で関わり、楽しめる雰囲気を作れたのが私たちのチームの大きな魅力でした。

ママ友を100人作る、という目標は、現段階で130人を超えるまでになったので無事に達成できました。でもママボノでは単純に数ではない絆で結ばれたママ友ができ、本当に良かったです。

メンバーとは今でもLINEグループでやりとりをしていて、家事の時短テクや料理のレシピなど情報交換を楽しんでいます。違う業種の人たちがそれぞれに頑張っている様子を見ると私自身も刺激を受けています。

自分からぜひアクションを

実際に今、職場復帰をして、ママボノをはじめ、育休中にいろいろとアクションを起こしたことはすべて無駄ではなかったと感じています。

また、勤務先とこまめに連絡を取っていたこともスムーズな職場復帰につながりました。会社によって違いはあると思いますが、育休中の女性社員が上司や人事担当者と定期的にコミュニケーションを取れる機会が増えると、職場復帰後の不安も軽減されるのではないでしょうか。

職場復帰後の働き方に不安がある方がいれば、躊躇せず、どんどん自分からアクションを起こしてほしいです。

中溝 知里さん

中溝 知里さん

家族構成:夫・娘(参加時4歳)・息子(参加時1歳)
仕事内容:電機メーカーのソリューション事業部主任
勤務体制:育休取得・復職
参加年度:2017年度

ママボノで経験した新しい仕事とリーダーシップ―復帰後の働き方に自信

第1子の育休中は、産後1年未満で復帰したこともあり、子育て中心に過ごしました。一方、第2子のときは2年近くの育休期間があり、外に目を向ける時間的な余裕がありました。そこで、同じようなタイミングで復職し、仕事へのマインドを持っている友人ができたらいいな、という軽い気持ちでママボノへの参加を決めました。

この機会を最大限に生かして

参加したプロジェクトは、品川区社会福祉協議会の有償ボランティア「さわやかサービス」が協力会員を増やすためのマーケティング基礎調査でした。ずっとSEとして働いてきたので、今まで自分がやったことのない業務に挑戦したかったからです。

私はリーダーとして支援先との窓口やメンバーの役割分担、進捗管理を主に担当しました。メンバーは様々な業界で頑張っている人たちなので、その特徴やスキルや個性をうまく生かし、どうファシリテートするか、が問われました。

そこで意識して取り組んだのが、せっかくの機会を生かして、一人一人の学びを最大化する、ということ。

メンバーの年齢には幅があり、職種も違えば、子どもの年齢も違い、第1子から第3子のママまでさまざまでした。当然、考え方も立ち位置も、エネルギーも違います。そういった違いを肌で感じ、良いものはどんどん自分に吸収していってほしい。ただ会って話をするだけでは難しいけれど、ママボノで一緒に作業していると見えてくるものは多いと思いました。

そのため、役割ごとにグループを分けましたが、メンバーは固定せず、定期的に入れ替えるようにしました。そうすると、全員が全員と仕事をしたことがある状態になり、よりたくさんのことを学び合えると思ったからです。

私自身も、最高のパフォーマンスが出るように、メンバーの組み合わせを考えるのはパズルのようで面白かったです。実際にメンバーは予想以上の力を発揮してくれましたし、リーダーの醍醐味を感じることができました。

肩ひじ張らない育児

ママボノの活動は単純に楽しかったですし、気持ちのリフレッシュにもなりました。育休中でも時間を意識して過ごせましたし、子どもが病気のときにどうするか、など、復帰後のシミュレーションもできました。

実はチームの最初の顔合わせのとき、子どもが熱を出してしまったのですが、夫が会社を休んでくれたおかげで無事に参加できました。これまでは、夫に申し訳ないと言う気持ちがあって、自分一人で何とかしようとしていたかもしれません。

でも今回の経験で、自分だけで凝り固まらず、夫ともちゃんと話して想いを共有する大切さに気付きました。復帰後も肩ひじを張らず、頼るところはうまく頼りながら育児と仕事を両立させていきたいと思います。

復帰後の働き方に自信が付いた

ママボノに参加して良かったことは、仕事のイメージを忘れずに過ごし、復帰に向けてポジティブな気持ちになれたことです。メンバーとはオンラインのやりとりがほとんどでしたが、チームとしてきちんと機能し、成果物を完成させることができました。限られた時間で対面でなくても、ちゃんとメンバー同士、意思疎通を図れる、ということを肌で感じられたのは、復帰後の自信につながりました。

何より、支援先の方々がプロジェクト終了後、実際に私たちが提案した内容を実行にうつしてくれたことが、とてもうれしかったです。おかげで、未知なる分野で仕事をするのも楽しい、と大いに実感できました。今後もし、本業で新しいフィールドの仕事に取り組むときでも、不安なく挑戦できると思います。一方で、SEとしてずっと身に付けてきた経験やスキルが、ほかのどの仕事でも役立つんだな、と確認できたのも良かったです。

ママボノで学んだ新しいリーダーシップ

ママボノでは、知り合ったばかりのメンバーが集まって、2ヶ月という限られた期間で成果物を作り上げました。リーダーとして難しい側面もありましたが、この経験は本業でも、チームの立ち上げと実行のスピードを上げていくのに役立つと思います。

普段の仕事でのリーダーシップの違いで言うと、ママボノのメンバー間には上下関係がありません。そのためメンバーに動いてもらうためには、ちゃんと話して納得してもらったり、私も相手の想いをくみ取ったりすることが必須でした。

この経験から、もしかしたら今までは、上下関係による立場の違いが前提にある中で、仕事を進めることが多かったかもしれないと気づきました。同じ想いを共有し、納得することができれば、立場に関係なく人は動く、ということを学べたのは、本業のリーダーシップにも有用な経験だったと思います。

だれにとっても働きやすい環境を

チームやバディーを組んで仕事をし、だれかが急に休んでも十分にカバーできる体制が作れれば、育児中の女性も安心していきいきと働き続けられると思います。それはきっと、年齢や性別、立場に関係なく、だれにとっても働きやすい環境を作ることにつながるはずだと信じています。

(2018年2月取材)

栗林 真由美さん

栗林 真由美さん

家族構成:夫・娘(3歳)・娘(取材時出産予定)
仕事内容:IT関連会社のクラウド事業でプロジェクトマネージャー
勤務体制:育休取得・フルタイムで復職、2度目の産休中
参加年度:2017年度

「ママだからって縮こまる必要はない!」をママボノで証明

第1子を妊娠してから、どうすれば復帰後もこれまでと同じく第一線で働き続けられるか、考え続けていました。子育て中は時間的な制約はあるだろうけれど、だからといって責任の軽い仕事を淡々とこなすのは嫌だったんです。

でも、育休中をただ“のほほん”と過ごして復帰し、第一線で働かせてください、なんてオイシイ話はありません。だから、産休・育休期間を有効に使い、自分の中でこれまでのマインドを変えるような取り組みをしたいと思いました。それでいろいろと模索する中で、ママボノの活動を知って参加を決めました。

娘たちに働く自分の背中を見せていきたい

こんな私ですが、産前産後で2ヶ月ぐらい里帰りをしていたときは、泣いてばかりだった時期もあります。あまりの環境の違いに、自分が誰からも必要とされていない気持ちになってしまって。でも産後、だんだん外に出られるようになり、気持ちが変わっていきました。

また、子どもにとっての母親(父親も)は、とても影響力のある存在です。私は2人の娘の母として、自分なりに仕事に取り組む背中を見せていきたい、そのために「復帰後も第一線で働きたい」という夢が、育休中の活動を通して実現できたと思います。これから第2子の出産を控え、次女の育休中は、もっとグローバルな活動にも挑戦したいと試行錯誤中です。

小さな子どもがいても、しっかりプロジェクトを進める

第2期のママボノは9名いて、全員で1つのプロジェクトを担当しました。支援先はNPO法人NAGOMI VISITという、来日した外国人観光客と自宅で一緒に食卓を囲む「ホームビジット」事業を運営する団体でした。ママボノには、地方在住者や子どものいる家庭のホスト(観光客を受け入れる人)を増やすためのマーケティング調査を希望されていました。

私はプロジェクトリーダーを務めたのですが、意識していたのは、全員が小さな子どもを抱えたママの集まりであること。なので極力仕事を単独で抱え込まないような仕組みやコミュニケーションを意識して、もし子どもの病気など突発的なことが起こっても、プロジェクトの進行に穴が空かないよう2人1組の体制にして、互いにフォローし合えるようにしました。あとはSkypeやメール、サイボウズのグループウェアを使って、リモートでやりとりできる体制を整え、なるべく余計な負担なく作業ができるようにしました。

自信を失くしていたメンバーが変わっていく

これは私にとって一番大事なことだったのですが、ママボノのプロジェクトを通して復帰後の自分をイメージしながら取り組み、「子どもがいても自分は仕事ができる!」という自信をメンバーみんなで共有したいと思っていました。

実は初めて顔を合わせたとき、全員が下を向いて自己紹介していて、自信がなさそうに見えたんです。一人目の子育てをしているメンバーが多かったし、しばらく仕事を離れていて本当に復帰できるのか、不安が大きかったのだと思います。

でも、少なくともママボノに参加している時点で一歩を踏み出しているのだから、きっと想いは同じはず。そのため、とにかくそれぞれのメンバーに役割と責任を持ってもらい、現場の感覚を取り戻してもらえるよう意識してコミュニケーションを図り、マネジメントしました。
いざプロジェクトが始まると、だんだん白熱してきたので、やはりみんなそれなりに熱くなれるものを探していたのだと思います。

かけがえのない“第3のママ友”

メンバーとは愛称で呼び合っていました。保育園の入園結果で悲喜こもごもして、日々の悩みを共有しあっているうちに、どんどん距離が近くなっていったと思います。

それぞれママでありながらプロジェクトの目標を達成したい、という志を共有していた、という点では、ただのママ友とは違いました。なかなか仕事に対する想いまで、率直に話せるママ友ってなかなかいないですから。

プロジェクトの後半では職場復帰を前にして、なぜ自分が働くのか、子どもが寝てからSkypeを使ってメンバー間で真剣に話し合ったこともありました。会社でも家でもなく、近所や保育園のママ友でもない、言ってみれば“第3のママ友(同志)”みたいな存在ができたのは、職場復帰してからも本当に心強かったです。

時間的な制約があったのに、クオリティーの高い成果物が完成

実は子どもができる前、入社して7、8年たったころにも、ママボノではなく、幅広く社会人が参加をするサービスグラントの通常のプロボノに参加したことがありました。自分のスキルはほかでも通用するのか、転職ではない形で試してみたかったからです。

通常のプロボノとママボノでプロジェクトリーダーを経験した立場から、それぞれの成果物を比べてみると、クオリティーに差はなかったように感じます。むしろ、ママボノの方が時間的な制約があったのに細かい点まで配慮し、ママならではの意見も反映できていました。支援先に提出した成果物に、代表の方も満足している様子を見て「ママだからと言って、別に縮こまる必要ってないんだ!」と、証明できた気がして、とてもうれしかったです。

もっと主張していい

育休後の女性活用については、会社によって施策がさまざまだと思いますが、もっと女性の側から、自分がやりたいこと、実現したいことを主張して良いと考えています。きちんと自分が主張しなければ職場の後輩、もっと言えば自分の子どもたちまで影響が続くことだってあると思います。ただしビジネスなので、感情的にならずロジカルに伝えられるかどうかがポイント。文句を言うだけではなく、きちんと想いが伝わるよう、しっかり行動でも見せていくのが私たちワーママ世代の役割だと思っています。

(2018年1月取材)

砥川 直子さん

砥川 直子さん

家族構成:夫、娘(2歳)
仕事内容:広告会社プランナー
勤務体制:育休取得・フルタイム
参加年度:2014年度

夫と育児を完全に“半分こ”。
担当を決めて時間をやりくりしています!

育休中のママ脳を仕事脳に戻したいと考えていた頃、ママボノの存在を夫から教えてもらい「これだ!」と 思いました。実は復帰直後に大きなプレゼンを任され、あたふたしていたのです。勘が鈍って頭が追いつかない中、プロジェクトを進行しなければならない…ここでママボノのプロジェクトマネージャーとしての経験が活きました。育休中はどうしても半径5mの世界ですが、それを一気に仕事モードへと没入させるのは難しいものです。ママボノは社会への架け橋として、また仕事の勘を取り戻す“頭の準備体操”として、私にはとても役に立ちました。(2015年10月取材)

日々の基本スケジュール

6:00 起床
7:00 掃除、朝食・夕食の準備
8:00 家族で朝食
(Point:夫が保育園へお見送り)
9:00 出社
(Point:ママボノ仲間から感じたパフォーマンスを仕事に発揮!)
17:00 退社
18:00 保育園へお迎え、帰宅
19:00 お風呂、夕食
20:00 絵本を読んだり、子供と遊ぶ
20:30 寝かしつけ
22:00 残務があれば、自宅で仕事
0:00-2:00 就寝

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