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【メンタリング支援先】グリーンウッド自然体験教育センター

【メンタリング支援先】グリーンウッド自然体験教育センター

【支援先団体】グリーンウッド自然体験教育センター 
【団体の声】緒方公美さん
【支援内容】 NPOメンタリングプログラム

団体概要とプロジェクト参加のきかっけ

子どもたちが、小さな村の暮らしで学び、体験し、成長する

グリーンウッド自然体験教育センター(https://www.greenwood.or.jp/)は長野県泰阜(やすおか)村で、日本の自然環境を活用した自然体験教育を推進し、青少年の「心の豊かさ」や「生きる力」を育むための多彩な自然体験教育プログラムを実施しています。活動としては、一年間の自然体験「山村留学暮らしの学校 だいだらぼっち」や全国のこどもたちが参加する「信州こども山賊キャンプ」をはじめ、学童や指導者養成など、地域づくりや企業の人材育成を行っています。
子どもたちの活動では、参加者自身が主体となり、その場を作り上げること、そして「自分たちで暮らしを作る」ということを大切にしています。これらの活動に共通する理念として、参加者が自らの手で成長し、学び、変化していける場を提供することを目指しています。

メンタリングに対する期待は、自分の強みの言語化

緒方さんのメンタリングプログラムに対しての期待の1つはとして「強みの言語化」だったそうです。その理由について次のように話してくださいました。
「コロナの影響で多くのプログラムが中止となった時に、やりたいことができない状況で、転職が頭によぎったこともありました。そこで初めて自分の強みを言語化することの必要性を認識しましたが、なかなか進まず、壁にぶつかりました。それがきっかけで、これまで自分が培ってきたスキルや強みについて向き合い、どこかでしっかりと整理したいと思うようになりました。
加えて、職員募集や学生ボランティアの募集も行っているのですが、今の学生たちに対しては「この活動を通じてどんな力が身につくか」に関心があると感じています。自分たちの活動を通じてどういった力を身につけられるかをオープンにすることで、より良いマッチングができると考えました。それを広報活動に活かすためにも、自分の強みの言語化は非常に大事だと感じ、今回NPOメンタリングプログラムに参加し、取り組むことにしました。」

3ヶ月間のNPOメンタリングプログラムを通じてどのように強みの言語化がされたか、お話いただきました。

NPOメンタリングプログラムの様子はこちら
https://grant.community/projects/1043

プロジェクトの様子とその後

自分の強みの言語化だけでなく、仕事への自信やプライベートにも良い影響をもたらす

NPOメンタリングプログラムに参加して一番感じたことは、私たちが当たり前にやっていることが、外部から見ると評価されることもあるということです。私の強みを言語化してもらったことは非常に大きかったのですが、私の周りにも自分と似た力を持ったスタッフがたくさんいます。そして、私が働く職場は素晴らしい人たちが集まっているので、自分の強みだけでなく、周りの人たちの強みも言語化されることに大きな価値を感じました。だからこそ、私たちは胸を張ってこの職場で活動できるという自信を持てるようになり、気持ち的にも明るくなりました。

また、担当くださったメンターの方々は非常にアクティブで、日常的に運動をすされている方々だったので、私も体を動かし健康的な生活を心がけようという気持ちになりました。加えて、お二人とも家庭と仕事を両立させながらこのプログラムを進めていたことで、時間の使い方についてもとても刺激を受けました。

NPOメンタリングプログラムの人材育成への活用の可能性

NPOメンタリングプログラムでの課題解決を通じて実現したことや実現しそうなことの1つに、「人材育成」があります。

私たちの職場は山奥にあり、職場の雰囲気も仕事とプライベートの垣根が非常に低く、みんな家族のような関係なので、後輩を育成することに対しては少し曖昧な部分がありました。現場で学べというスタイルもありますが、私はそこに限界を感じていました。ですがそこで、このプログラムを通じてメンターの方に話を聞いてもらうことで、自分の視野が広がり、良い方法が見えてきました。

今後も若いスタッフたちがこのようなプログラムに参加できる機会が増えれば、私たちの人材育成にもつながると思っています。研修の時間を設けたり、こういったシステムを作ることができたらいいなと思いますが、私たちの内部だけでは、時間も人数も限られていいます。NPOメンタリングプログラムのような機会があると、壁打ちのように話を聞いてもらえるので、視野が狭くなりがちなところを広げることができます。また、自分の方法が正しかったか、もう少しこうしてみようかなといった思考の転換の機会にもなりそうです。今後、このプログラムに若いスタッフや新しいスタッフが参加できると、組織としての人材育成にとっても非常にありがたいと感じています。

言語化の結果を用いてアワードや新しい役割にもチャレンジ

実際にこのプログラムを受けているときに、自然学校等の同業者が集まるシンポジウムがあり、プログラムを通じてオープンな気持ちになった状態で参加できたので、多くの人交流することができました。またそれがきっかけで、運営の方から「アウトドア指導者を表彰するアワードがあるので、申請してみませんか?」と声をかけていただきました。結果的にはアワードの受賞には至りませんでしたが、その申請書を作成する過程が、自分のこれまでの経験や強みを改めて整理する良い機会になりました。膨大な量を書かなければならなかったのですが、その言語化もメンターの方にサポートしていただきました。来年もそのアワードがあるので、再度チャレンジしようと思っています。もし賞をもらえたら自信にもなりますし、団体としての評価にもつながると思っているので、引き続き挑戦していきたいと思っています。

また、キャリアに関しても、昔は転職を考えていた時期もありましたが、今ではこの場所で腰を据えてやっていきたいと思うようになりました。来年度から部署を異動することが決まっているのですが、その決断もこのプログラムのおかげです。以前からやりたいことがあったのですが、このプログラムを通じて、やっぱり自分がやりたいことはこれだと明確に見えてきました。その結果、上司にしっかりと意思を伝えることができたと思っています。

リフレッシュや顧客理解にもつながる機会に

職場が地方ということもあり、人間関係が固まってしまっている感じがあって、それが原因で落ち込んでいることもありました。でも、今回のNPOメンタリングプログラムでは、外部の人と話す機会ができて、短い時間でしたがすごくリフレッシュできました。それに、プログラムを通じて、もっと身近な人たちと新しく出会ったり、オンラインの別のコミュニティに参加してみようという気持ちになれたのです。そういう意味では、すごく前向きになれたと感じています。
また、新しいコミュニティや新しい人たちとつながるのもそうですが、今いる職場の人たちにも「何でも話していいんだな」と思えるようになりました。自分からもっと相談してみようという気持ちにもなれたので、それがすごく大きな変化だと感じています。

加えて、メンターの方々は一般企業で働かれているので、仕事を進める上で大事にしていることを客観的に考える機会にもなりました。特にNPOは社会づくりをしている団体なので、もっと社会とのつながりを深めて、お互いを認められるような形を作ることが大事だと考えています。例えば、企業では効率が重視されがちですが、私たちはプロセスを大事にするという点で異なっているところがあります。でも、効率を重視する企業で働いているメンターの方と実際に話したことで、わかり合えないわけではないんだなと感じました。私たちのメインターゲットは都会の子どもたちで、その保護者の多くは企業で働いています。そのバックグラウンドについても、メンターの方々と話して、少し見えてきたように思います。

小さな組織だからこそ、誰かに話を聴いてもらう機会を

小さい組織にいると、どうしても考え方が凝り固まってしまうことがあります。そんな時に誰かに話を聞いてもらえる機会があると、考え方がほぐれたり、柔軟になったりします。職場内の人たちとの関わりでも、そういった体験を通して、他の人にも柔らかい気持ちを持てるようになったと感じています。

また、メンターの方々が作ってくれた場もすごくありがたかったです。メンタリングの時間中私の課題としっかり向き合ってくださるので、非常に感謝しています。お子さんがいるので、参加が難しい時もあると思います。そんな時は遠慮せずに「今日は無理です」と言ってもらっても大丈夫かなと思っていましたが、そのようなこともなくメンタリングを進めていただいて、心から感謝しています。

 

(2025年3月取材)