ワーカーズ・コレクティブちろりん村
【支援先団体】NPO法人ワーカーズ・コレクティブちろりん村
【団体の声】事務局長 吉田朋子さん
【支援内容】 団体の活動をわかりやすく伝え必要な人に届けるための、ママ目線で情報を整理したウェブサイト改善提案
プロジェクト当時の活動内容
子育てを「孤」育てにしない、地域のママを支える活動を続けて20年
ワーカーズ・コレクティブちろりん村は、西東京市内で2001年より、地域の子育て家庭に向けて支援活動を開始し、主に訪問型子育て支援ホームスタート、親子ひろば、親支援の連続講座、食育活動、イベントなどを行っています。産前から就園前の地域で子育てするママの一人ひとりに寄りそうことを大切にしてきました。
子育ては、「次代を担う子どもたちを育てる」という社会の大切な仕事ですが、核家族化がすすみ家庭や地域の育児機能が低下する中で、親の負担感が増すとともに、孤立した子育てが地域の課題となっています。親の就労率の向上に伴い保育ニーズも多様化し、既存のサービス以上の細やかな対応が求められていました。
必要な人に活動を届けるための、ウェブサイト改善提案を実施
ワーカーズ・コレクティブちろりん村の当時のウェブサイトは、利用者に活動内容や問い合わせ方法などが伝わりにくいことが課題でした。特に、コロナ禍で家庭内DVや虐待が増えている傾向があるにも関わらず、支援を利用する人が減っている現状がありました。そこで、団体の活動をわかりやすく伝え、必要な人に情報を届けられるよう、特に産前・産後 のママ向けの講座等が充実していることが伝わるウェブサイトにするための、改善提案プロジェクトを行いました。
ママボノチームは、まず、ヒアリングを通して、20年で多岐に渡り広がってきた活動を利用者の目線から整理しました。そして、TOPページでのママに向けたメッセージ、予定を確認しやすいカレンダー、それぞれの活動や教室の手短な紹介などの提案をしました。提案では、できるだけ具体的に写真や画像を盛り込み、すぐにウェブサイト制作ができるものを提供しました。
ワーカーズ・コレクティブちろりん村のプロジェクトの様子はこちら
https://www.servicegrant.or.jp/projectslist/chirorinmura/
提案後、リニューアルしたワーカーズ・コレクティブちろりん村のウェブサイトはこちら
https://npo-chirorinmura.com/
プロジェクトのその後(支援先団体からの声)
「自力で頑張る!」という思いから解放してくれた、プロボノとの出会い
団体として活動を始めて約20年間、子育て支援の活動を継続してきました。ママボノの支援を受けるまでは、第三者としての外部の支援を受けた経験がなく、「自分たちの団体のことは自分たちで何とかしなくてはいけない」と思っていました。相談をするにも、行政や市内の子育て団体を頼っていたため、活動を内側から理解してもらえるのは有難い一方で、全く違った視点を得るということは難しく、大きな変化も無く活動を継続している状態だったと思います。
そんな私たちにとって、ママたちのプロボノである「ママボノ」との出会いは大きな転機となりました。外部の方でありながら当事者でもあるママボノの皆さんの目線は、子育て団体である我々にとってうってつけでした。さらに、ボランティアでありながらもお仕事モードで対応してくださるママボノの皆さんは、願ってもない存在でした。
自分たちで見えないことも、外から見ると整理してもらうことができます。団体としてやりたいことをしてきましたが、利用者さんは本当に満足してくれているのか、実は他に要望があるのではないかなど、課題はたくさんありました。身内だと細かいところを気にしてしまいますが、サクサクと情報を整えてくれました。活動立ち上げから20年の間に事業がいろいろ増えて、自分たちでも整理がつかなくなっていたのをわかりやすく整理してくれました。また、チームから様々な質問をしてもらうことで、自分たちの考えが整理できたというのも大きな利点でした。ママボノの支援を受けたことで、外部へ支援を求める許容範囲が広がった気がします。
ホームページへのアクセスが3.5倍に
ママボノのプロジェクトではホームページのリニューアルの提案をしてもらい、それをベースにプロジェクト後に外部業者に作ってもらいました。構成や内容が整っていたので、外注もスムーズでした。そして、リニューアル後、ホームページのアクセスは3.5倍になり、ホームスタートの訪問も1.5倍に、ツイッターは、ゼロからスタートして、全活動の合計のフォロワーは今では700人になりました。全体の利用者も、それまで少なかった第1子のママ、産前の人が増えました。新規の方はほとんどがホームページを見て来てくれています。
また、活動の魅力をわかってもらうには、見せ方が大事だということも改めて認識しました。現場に来ない人にも現場の雰囲気を伝えられるよう、利用者の声を伝えるといいというアドバイスも、ママボノからもらいました。
ママを元気づける活動をしている私たちが、ママボノに元気づけてもらいました
ママボノプロジェクト中の支援先としての対応は、大変だったことは全くなく、むしろ、楽しいことがたくさんありました。オンラインも活用して進めるプロジェクトでしたが、現場までチームが見学に来てくださったのはすごく嬉しかったです。やはり、オンラインだけでは見えないものがあると思います。そして、活動を見て、「この雰囲気って良いですね」「いい活動ですね」など、たくさん褒めてももらいました。褒められ慣れていないので、言葉にしてもらえたのはとても嬉しかったですし、それならもっと続けたいという思いが強くなりました。
普段の活動では、私たちがママたちを元気づけています。自分たちが元気づけられる機会はありませんでしたが、ママボノの皆さんに褒めてもらうようになり、外から褒めてもらうのが癖になりました。(笑)いい活動だと改めてスタッフ内でも再認識できたというのは、大きな副産物でした。
また、スタッフ25名のうち20名は保育をやっていますが、保育に限らず地域活動についてもいろんな意見を持っているなど、団体の中にも良い意見を持っている人がいることに改めて気づき、団体内部についての再認識にもつながりました。
普段のちろりん村の活動は、支援をするママたちに「新鮮な風」と言ってもらっていますが、今回は、ママボノからの新鮮な風を受ける側の体験ができ、貴重な経験でした。ママボノの皆さんは、積極的に、しかも親身になって、我がことのように2か月間のプロジェクト中、私たちに向き合ってくれました。
前進したい団体の皆さんに、プロボノ、ママボノをおススメします
プロボノ支援を受けることで、私たちは、新しい視点、違う年代のフレッシュな意見を得ることができました。プロボノ、ママボノの支援を考えている団体の皆さん、外部の助言によって、事業の効率化を目指しませんか。自分たちの団体だけで煮詰まっていませんか。新しい時代の空気を味わってみませんか。コロナもきっと明けて、新しい時代が来ます。そこから伸びようとする人たちに、ぜひ、プロボノ、ママボノの力を借りてほしいと思います。
育休中にあなたのスキルを一歩前に進めませんか?
育休中や離職中のママにとって、他の業種の方と会えて、スキルアップにもなるママボノは、異業種を知るいい機会、自分の状態を俯瞰する時間になると思いました。仲間も知識も、いろんな刺激も得られる機会だと思います。
(2022年7月取材)